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文献詳細

雑誌文献

臨床検査35巻8号

1991年08月発行

文献概要

TOPICS

わが国における日本紅斑熱と恙虫病

著者: 藤田博己1

所属機関: 1大原綜合病院附属大原研究所

ページ範囲:P.871 - P.872

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 日本紅斑熱と恙虫病は現在のわが国における代表的リケッチア症となっている.両者は症状,治療,そして診断方法に類似点が多いので,まずそれから概観してみる.
 臨床症状は,ともに高熱,発疹および刺し口の3徴候であるが,日本紅斑熱では,発疹は出血性となる傾向があるためにより鮮明であるのに対して,刺し口は恙虫病より小さくて見つけにくい.治療面では,両疾患ともにアミノ配糖体やβ―ラクタム系の抗生物質はまったく無効なのに対して,テトラサイクリン系が著効を示す.確定診断はそれぞれの病原リケッチアを抗原とした免疫蛍光法や免疫ペルオキシダーゼ法による特異抗体の検出が主流である.なお日本紅斑熱の診断では,紅斑熱群であればたいていの種類のリケッチア抗原で代用できる.また恙虫病ではとかく診断価値が低いことで不評のWeil-Felix反応は日本紅斑熱では有用で,OX-2抗原での陽性反応が特徴的である.この反応が本症発見の契機となった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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