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文献詳細

雑誌文献

臨床検査36巻1号

1992年01月発行

文献概要

今月の主題 成長因子と増殖因子 解説

血小板由来血管内皮細胞増殖因子(PD-ECGF)

著者: 岡部哲郎1

所属機関: 1東京大学医学部内科学第三教室

ページ範囲:P.37 - P.42

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 筆者らが血小板から分離した血管内皮細胞の増殖因子(当初VEPFと命名)は,分子量約45,000の単一の蛋白質で他の血管内皮細胞の増殖因子とは異なり,ヘパリンに親和性を示さない新規の増殖因子であることが判明し,PD-ECGFと命名された.本因子は血管新生作用を有するほか,血管内皮の遊走も促す.本因子は骨髄の巨核球以外では肝臓や胎盤でその遺伝子が発現されており,胎盤から分離したcDNAの構造は482個のアミノ酸をコードすることがわかっている.本因子が炎症や腫瘍に伴う血管新生に関与するか,また動脈硬化の際の内皮の修復に関与するか今後の研究が期待される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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