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文献詳細

雑誌文献

臨床検査36巻1号

1992年01月発行

文献概要

トピックス

ミエリン塩基性蛋白質(MBP)

著者: 塩田千代1 御子柴克彦2

所属機関: 1和歌山県立医大第一病理 2東京大学医科学研究所

ページ範囲:P.69 - P.69

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 ミエリン塩基性蛋白質(myelin basic protein; MBP)はミエリンの主要構成成分で,中枢神経系では全ミエリン蛋白質の約50%を占める.中枢神経系のミエリンはオリゴデンドロサイトの細胞突起の先端が薄く膜状に広がって神経軸索を何重にも取り巻くことによって作られるが,MBPはこの膜の細胞質側にあってmajor dense lineを形成し細胞膜の内側どうしの接着が主たる役割と考えられている.
 MBP cDNAをプローブとして培養オリゴデンドロサイトでin situハイブリダイゼーションを行ったところMBP mRNAは細胞突起にも検出され,MBPが主に突起中すなわちミエリンに近い部位で合成されることが明らかとなった1).したがって脳切片でMBP mRNAのin situハイプリダイゼーションを行うと,あたかも髄鞘染色を施したかのような像が得られ(図1A),もう1つのミエリン主要蛋白質であるプロテオリピド蛋白質(PLP) mRNAのin situハイブリダイゼーション像と対照的である(図1B).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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