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文献詳細

雑誌文献

臨床検査36巻11号

1992年10月発行

文献概要

特集 遺伝と臨床検査 II DNA診断 1.DNA診断のための基本的操作

2) RNAの抽出法

著者: 牧野鈴子1

所属機関: 1国立がんセンター研究所腫瘍遺伝子研究部

ページ範囲:P.39 - P.42

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●RNAを抽出するときの注意
 まず,RNAを扱う際に注意をする点について述べたいと思う.
 RNAはDNAよりも分解されやすい物質である.RNAの分解は溶液をアルカリ性にした場合,またはリボヌクレアーゼ(RNAを分解する酵素)が混入した場合などに起こる.リボヌクレアーゼは細胞の中に存在するだけでなく,汗,唾液中にも分泌されるので作業中はゴム手袋を着用するとよい.また,手術材料や生体組織の場合には手術中や切除後放置している間にリボヌクレアーゼが働いて,RNAを分解してしまうことがある.切除後すぐにRNAの抽出作業ができないときには,試料をフリーズクランプなどを用いてすばやく凍結し,-70℃で保存すると,より良質のRNAを得ることができる.凍結するまでに時間がかかる場合は,試料を氷冷しておくとよい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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