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文献詳細

雑誌文献

臨床検査36巻11号

1992年10月発行

文献概要

特集 遺伝と臨床検査 II DNA診断 1.DNA診断のための基本的操作

5)ウエスタンブロッティング法

著者: 三間孝1 織田島弘子1

所属機関: 1新潟大学医療技術短期大学部

ページ範囲:P.53 - P.57

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●はじめに
 従来の生命科学の研究法は発現している蛋白を確認し,mRNAを同定後,遺伝子構造を決定する手順でなされてきた.しかし特定の細胞機能を規定している微量蛋白を確定することは困難であった.癌遺伝子発見の実験で示されたように,細胞工学および遺伝子工学の進歩は最初に遺伝子を確認し,次いでmRNAおよび蛋白を同定する従来の手法と逆の検索方法を可能にした.
 一方,蛋白検索法の進歩はH.Towbinら1)が開発したウエスタン(Western)法により微量検出を容易にし,ウエスタンブロットされた微量蛋白でアミノ酸配列が決定できるようになった.さらにアミノ酸配列から,オリゴヌクレオチドの合成,合成オリゴヌクレオチドを用いた蛋白特異的mRNAの抽出,cDNAの合成,mRNAおよび遺伝子構造の解析へと分析を進展させることが可能になった.このような生命科学研究法における蛋白の検索は遺伝子の最終情報の分析であり,遺伝子解析の出発点であるとも言える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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