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文献詳細

雑誌文献

臨床検査36巻11号

1992年10月発行

文献概要

特集 遺伝と臨床検査 II DNA診断 1.DNA診断のための基本的操作

7) PCR-SSCP法

著者: 林健志1

所属機関: 1国立がんセンター研究所腫瘍遺伝子研究部

ページ範囲:P.63 - P.66

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●はじめに
 今日,DNA診断は臨床検査の場で,急速にその重要性を増しつつある.遺伝病診断における要因遺伝子中の突然変異の検出,癌における癌遺伝子や癌抑制遺伝子の突然変異を含む構造変化の検出,感染性疾患における病原生物の同定などである.DNA診断の有用性は従来から明白なことであったが,これには,組換えDNA技術を含むかなり高度な生物学的実験技術が必要であり,例えば臨床検査の場でこれを行うのは事実上不可能であった.1980年後半に出現したPCRは,この状況を一変させた.通常の生化学的試薬のほかに,プライマーとして使うオリゴヌクレオチドと,耐熱菌由来DNAポリメラーゼ,それに比較的簡単な装置があれば,きわめて簡単に,ごく微量のゲノムDNAから特定領域の配列を選択的に増幅し,取り出すことが可能となった.さらに,ポリアクリルアミドゲル電気泳動法を利用して,PCR産物中の突然変異の有無を,きわめて簡単に検出する実験法がPCR-SSCP(singlestand conformation polymorphism)法である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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