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文献詳細

雑誌文献

臨床検査36巻11号

1992年10月発行

特集 遺伝と臨床検査

II DNA診断 1.DNA診断のための基本的操作

10)遺伝子点変異のさまざまな検出法

著者: 松原洋一1

所属機関: 1東北大学医学部病態代謝学講座

ページ範囲:P.75 - P.78

文献概要

●はじめに
 現在,さまざまな遺伝病において,遺伝子の挿入,欠失,再構成,点変異などがその原因として報告されている.これらの変異のうち,挿入,欠失はサザン法やPCR法によって比較的容易に検出することができる.例えば,Duchenne型筋ジストロフィー(DNA診断の項参照)では,ジストロフィン遺伝子における欠失や重複が病因となっていることが多く,したがって遺伝子断片の有無を調べたり,また,その大きさを比較したりすることによって診断が可能である.しかしながら,多くの遺伝子病における変異は点変異がその大半を占めている.点変異の場合,1つの塩基が他の塩基に置換しているだけで,ごく一部の例外を除いて,通常のサザン法やPCR法を行っただけでは正常遺伝子と変異遺伝子を区別することができない.
 これまでに,この1塩基のみの変化を検出するためにいくつかの方法が編み出されている.これらの方法は大きく分けて2種類に分けられる.すなわち,すでに病因であることが明らかにされている既知の点変異を検出する方法と,それに対して未知の点変異を幅広くスクリーニングする方法とである.本稿では誌面の都合で,前者の中で主なものを紹介し,筆者らの研究室における,それぞれの実際例を述べる.後者については,その代表的なものにSSCP法が挙げられるのでそちらを参照されたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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