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文献詳細

雑誌文献

臨床検査36巻11号

1992年10月発行

文献概要

特集 遺伝と臨床検査 II DNA診断 2.DNA診断の応用

2)家族性高コレステロール血症

著者: 三宅康子1 山本章2

所属機関: 1国立循環器病センター研究所病因部細菌ウイルス研究室 2国立循環器病センター研究所

ページ範囲:P.88 - P.93

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●はじめに
 LDL(low density lipoprotein;低比重リポ蛋白)レセプターは,細胞表面膜上に存在しており,血中のLDLを末梢細胞に取り込ませる役割を果たしている.LDLレセプターに遺伝的変異の起きた疾患が家族性高コレステロール血症(familial hypercholesterolemia;FH)であり,LDLレセプターの対立遺伝子のうち一方が異常なヘテロ接合体の出現頻度は500人に1人という高率である.ヘテロ接合体では細胞表面上で正常に機能できるレセプター数が正常人の半数であり,血清コレステロール値は260~500mg/dlに上昇しており,30歳台から高率に虚血性心疾患を発症する.対立遺伝子の双方が異常なFHホモ接合体は100万人に1人の割合で出現し,患者では血清コレステロール値が500~1,000mg/dlとなり幼児期から冠動脈硬化が進展する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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