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文献詳細

雑誌文献

臨床検査36巻11号

1992年10月発行

文献概要

特集 遺伝と臨床検査 II DNA診断 2.DNA診断の応用

5)乳酸脱水素酵素Mサブユニット欠損症

著者: 前川真人1 菅野剛史1

所属機関: 1浜松医科大学臨床検査医学

ページ範囲:P.103 - P.109

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●はじめに
 乳酸脱水素酵索(LDH)は,H (B)とM (A)の2種のサブユニットから成る4量体であり,5種類のアイソザイムを形成する.これらのサブユニットの欠損症がHは北村らにより,Mは菅野ら1)により報告された.LDHアイソザイムパターンは図1に示したごとく,非常に特徴的である.Mサブユニット欠損症発見の発端は激しい運動後のミオグロビン尿症であった.その後,4家系が本邦においてのみ報告されている.第2家系は頻度推定のマススクリーニング2),第3家系は腎障害患者3),第4家系は全身倦怠感の患者4),第5家系は皮膚の発疹の患者5)であった.日常は皮疹がある場合以外は特に症状はなく,潜在性症候性と言える.血清LDH活性も通常は正常域であることに注意したい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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