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文献詳細

雑誌文献

臨床検査36巻11号

1992年10月発行

文献概要

特集 遺伝と臨床検査 III 染色体異常の診断 2.末梢血の各種染色体分染法

3)Q分染法

著者: 田沢正1 五十嵐寛1 岩井聡1 丸山昭治1

所属機関: 1(株)ビー・エム・エル総合研究所細胞生物学部

ページ範囲:P.137 - P.142

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●はじめに
 Q分染法は,Casperssonら1)により各種分染法の中で最初に発見された染色法である.蛍光色素キナクリンマスタード(QM)で処理することにより染色体を横縞の縞模様に染め出して蛍光顕微鏡で観察するもので,Q分染法2~5)(色素の頭文字の略)と呼ばれる.明るい蛍光を発しているバンドは,染色体DNAのATrich部位で,暗いバンドは逆にGC rich部位である.Q分染法は熱や薬剤処理などの前処理を必要としないので,染色体の形態が比較的よく保持され,簡便で最も安定した方法である.図1にQM染色法による分染像を示す.
 近年,上記分染法のみならず2種以上の色素で染色することでよりコントラストの高い鮮明な分染像が得られる二重染色法2,6~8,11)(counter staining technique)も実用化されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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