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文献詳細

雑誌文献

臨床検査36巻11号

1992年10月発行

文献概要

特集 遺伝と臨床検査 IV HLAタイピング

1.HLAタイピングの意義

著者: 萩原政夫1 辻公美1

所属機関: 1東海大学医学部移植免疫学

ページ範囲:P.202 - P.205

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●HLAとはなにか
 あらゆる高等生物は自己と他者とを識別するシステムとしての遺伝的標識を有している.主要組織適合抗原(major hitocompatibility complex;MHC)がそれであり,マウスの場合はH-2抗原,ヒトではHLA(human leukocyte antigen)抗原と呼ばれている.
 日常的にこのHLA抗原の存在を身近に感じるのは,骨髄移植や臓器移植において患者であるレシピエントと臓器提供者であるドナーとの間で,HLA抗原タイプが一致していることが移植の成功の決め手になるときであろう.しかし本来HLA抗原の役割としては,われわれの環境中に存在し身体を脅かす細菌やウイルスなどの外来抗原が侵入してきたときに,自己のHLA抗原と照合することによって外来抗原を非自己であるとみなし,これを駆逐するための免疫反応を作動させるところにある(つまり移植片そのものは外来抗原そのものである).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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