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文献詳細

雑誌文献

臨床検査36巻11号

1992年10月発行

文献概要

話題

APRT欠損症

著者: 鎌谷直之1

所属機関: 1東京女子医科大学附属膠原病リウマチ痛風センター

ページ範囲:P.220 - P.221

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1.APRT欠損症の概要
 APRT(adenine phosphoribosyltransferase)欠損症は常染色体性劣性の遺伝病で,症状は2,8-dihy-droxyadenine(DHA)を主成分とした尿路結石症,腎発育不全,慢性腎不全症などである.APRTはアデニンをAMPに変換する酵素で,この酵素が欠損すると体内にアデニンが蓄積し,アデニンはキサンチンオキシダーゼの作用によりDHAとなる.DHAは極めて難溶の物質であり尿路で結晶化し,結石症や腎障害の原因となる1)
 APRT欠損症はわが国からの報告が圧倒的に多い.日本以外ではヨーロッパを中心に約36人の報告があるが,1か国からの報告は10家系に満たない.われわれが診断依頼を受けたものだけでもAPRT欠損症のホモ接合体と診断されたのは73家系,90人である.世界では156人のAPRT欠損のホモ接合体が発表されており,その内120人(約77%)は日本人である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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