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学会印象記 第42回電気泳動学会総会
基礎研究で支えられる電気泳動の応用面,他
著者: 中村和行1
所属機関: 1山口大学医学部生化学第一講座
ページ範囲:P.132 - P.132
文献購入ページに移動 1991年10月31日・11月1日の両日,第42回電気泳動学会総会が金沢大学がん研究所分子免疫部右田俊介教授のお世話で石川県文教会館において開催された.特別講演は,Indiana大学生物学部Frank W.Putnam教授が"ヒト血清アルブミンの遺伝的変異型の電気泳動的解析と構造解析"と題して,血清アルブミンの多様性とその遺伝子解析結果を講演された.Putnam教授は"Plasma Protein"の編者として国際的に著名であるが,とりわけ血清アルブミンの遺伝子変異による多様性の解析は特筆すべきものである.教授は世界で30種の変異型を報告されているが,15種の変異型が日本で発見され,内10種は日本に固有である.教授は,多くのアルブミン変異型の解析で蛋白分子の構造解析とPCR法を用いた遺伝子の解析とを相補的に進められ,実際に変異が蛋白分子の立体構造にどのような影響を及ぼすか明らかにされようとしているが,この研究の進めかたは後進にとって良い教示であったように思う.教育講演は大阪大学蛋白研の高木俊夫教授が"電気泳動光散乱―蛋白質から細胞までを対象とした新規装置について"と題して,Tiselius電気泳動の伝統を受け継ぎ,自由溶液中での粒子,蛋白質や細胞の正確な電気泳動速度の測定を目的として電気泳動光散乱法を用いた新しい測定装置の開発を発表された.
講演を拝聴し電気泳動の応用面での発展は基礎的な研究により支えられることを再確認した.
講演を拝聴し電気泳動の応用面での発展は基礎的な研究により支えられることを再確認した.
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