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文献詳細

雑誌文献

臨床検査36巻2号

1992年02月発行

文献概要

TOPICS

PAFのRIA法

著者: 唐沢健1 野島庄七1

所属機関: 1帝京大学薬学部

ページ範囲:P.190 - P.191

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 炎症・アレルギーのリン脂質性メディエーターである血小板活性化因子(platelet-activatingfactor;PAF)の新しい定量分析法として,ラジオイムノアッセイ(RIA)が開発され,現在,Dupont社およびAmersham社よりPAFのRIAキットが販売されている.本稿では,PAFに対する抗体の特性およびRIAによりPAFの測定を行ううえでの問題点について触れてみたい.
 PAFに対する抗体は,キャリア蛋白のアミノ基への共有結合を可能にするための官能基を導入した合成PAFアナログをハプテンとする人工抗原を用いて作製されている.われわれは1-O-(15′-carboxypentadecyl)-2=acetyl-sn-glycero-3-phosphocholine1)および1-O-(15′-carboxypentadecyl)-2-dimethylcarbamoyl-sn-glycero-3-phosphocholine2)をそれぞれKLHおよびBSAに結合させたものを抗原としウサギを免疫することにより抗血清を作製し,その特異性をTLC/immunostaining,RIAなどの方法で調べた結果,lyso PAF,PC,SM,lyso PCなどの天然リン脂質との交差反応はまったく認められなかった.また,この抗体は[3H]PAFの血小板への特異的結合を競合的に抑制し,PAFにより引き起こされる血小板凝集を阻止することから,レセプターへの結合部位が抗原決定基となっていると考えられた1).一方,Smal3)らは1-O-(12'-oxohexyl)-2-acetyl-sn-glycero-3-phosphocholineをメチル化BSAに結合させたものを抗原とし,ウサギ抗血清を作製した.その後,彼らは,同じ抗原をヒッジに注射した場合,より親和性の高い抗体が得られるという興味深い報告を行っている4)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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