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文献詳細

雑誌文献

臨床検査36巻2号

1992年02月発行

文献概要

資料

小児ケトン血症の指標としての血中3―hydroxybutyric acidの測定意義

著者: 近藤穂積1 川崎浩三1 藤原元紀1 染井利英2

所属機関: 1周東総合病院小児科 2大和病院小児科

ページ範囲:P.204 - P.208

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 小児に多く見られる周期性嘔吐症の診断に,従来から用いられてきた尿中ケトン体であるアセト酢酸(AcAc)の半定量と,血中ケトン体の1つである血中3―ヒドロキシ酪酸(3―OHBA)の定量を行い比較検討した.周期性嘔吐症の患児では,尿中AcAc値と血中3―OHBA値とは正の相関を示したが,尿中AcAc値の半定量が陰性でも血中3―OHBA値が高い症例もあり,病状の指標としては血中3―OHBA値のほうが適切であると考えられた.
 本症の診断的評価としては血中3―OHBA値で500μmol/l以上を治療の対象とするのが適切と考えられるが,血中3―OHBA値は中枢神経系の発達によって変動するため,その判定には年齢をも考慮する必要があると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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