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雑誌目次

雑誌文献

臨床検査36巻5号

1992年05月発行

雑誌目次

今月の主題 大腸疾患と検査

グラフ

大腸疾患の病理

新井 冨生 , 中村 真一 , 喜納 勇

pp.461-464

大腸粘膜の微細構造

山元 寅男 , 岩田 康 , 平野 豊

pp.465-468

 ヒトの大腸粘膜は,表面を吸収上皮細胞と杯細胞から成る単層上皮で覆われ,腸陰窩のみが発達し,ここでは杯細胞が多数認められるほかに,腸内分泌細胞も散発性に分布する.吸収細胞の上部胞体内には分泌型IgAを含む小空胞を多数認める.これらの上皮は基底板をはじめとするコラーゲン線維網の骨格構造により裏打ちされるとともに形状を保持され,粘膜固有層の骨格をなすコラーゲン構築網の間隙には血管,リンパ管,細胞要素などが詰まっている.

総説

炎症性大腸疾患と免疫異常

日比 紀文 , 岩男 泰 , 大原 信 , 渡辺 守 , 土屋 雅春

pp.469-472

 免疫異常がその病態に関与する炎症性大腸疾患には潰瘍性大腸炎とクローン病が挙げられるが,その内容は大きく異なる.大腸粘膜が選択的に侵される潰瘍性大腸炎では,T細胞系の機能異常があり,自己抗体である抗大腸抗体を介した抗体依存性細胞障害機序が関与している.一方,クローン病では組織学的に非乾酪性肉芽腫を特徴とし,単球・マクロファージ系細胞の活性化,機能異常が認められ,単球からの活性酸素産生の亢進,免疫抑制因子の産生などが病態にかかわっている.

腸内細菌叢と疾患

本田 武司 , 田中 隆一郎

pp.473-479

 腸内細菌叢(腸内フローラ)が,生体に様々な影響を与えていることが明らかになってきている.腸内フローラの一部は発癌や老化にかかわる可能性が考えられ,"悪玉(有害)菌"としての側面が認められる一方,一部のものは,ビタミンの合成をはじめ,腸管感染原因菌の増殖阻止作用,胆汁酸などの代謝や免疫賦活作用などを発揮し,"善玉(有用)菌"としての側面も認められてきている.後者の有用菌は,probioticsという観点から積極的に治療・予防に使われだしている.

技術解説

アメーバ症の血清診断

奥沢 英一 , 竹内 勤

pp.480-485

 慢性感染症の1つである赤痢アメーバ症において血清診断の信頼性は高い.血清反応に関与する抗原抗体系は,概念上2群に大別される.

 1つは虫体が腸管腔内に存在する時点ですでに陽性となるものである.この系に関与する抗体は非特異的であるが,急性期に高率に検出される.このため,除外診断の指標として利用することができる.ただし,無症状者や他原虫感染でも陽性となるので積極診断には不適である.

 もう1つは虫体が組織内侵入しない限り陰性となるものである.この系は特異的で積極診断の指標とできる.ただし,虫体の組織内侵入を経験し治癒して初めて上昇するので,初発急性期には低値である.

 血清診断は簡便かつ信頼性の高い方法であるが,決して万能ではない.特に,症状(組織侵入)の指標とされる特異抗体が,軽症例で高率に検出されるのに対し,重症例で低値を示すという逆説的現象には注意が必要である.

Clostridium difficile毒素の迅速検査

中村 信一 , 神谷 茂

pp.486-490

 Clostridium difficile毒素検出のためのもっとも信頼性の高い迅速検査法は細胞毒性試験である,pgレベルの毒素が検出可能であるという感度の良さ,非特異的細胞変性効果との区別が容易であることなどから本菌毒素のもっとも優れた検査法である.現在市販されているラテックス凝集反応キットは毒素を検出するものではないが,その簡便性,迅速性から本菌検出のためのスクリーニングとしては臨床上有用である.

大腸癌スクリーニングとしての便潜血検査 1.検査法の種類と特徴

相馬 悌 , 齋藤 博 , 吉田 豊

pp.491-494

 近年,ヒトヘモグロビンに特異的な抗ヒトヘモグロビン抗体が作製され便潜血検査に用いられるようになった.これにより,その感度・特異度の高さから便潜血検査の主流は化学的便潜血検査から免疫便潜血検査へと変わってきた.現在,免疫便潜血検査は10種類以上の測定キットが市販されているが,各キットの特性を理解し,検査者の熟練度,所要検査時間,検体処理数などに応じてキットを選択する必要があると思われる.

大腸癌スクリーニングとしての便潜血検査 2.検査法の意義

北條 慶一

pp.495-501

 従来の生化学的方法に代わって免疫学的方法が開発され感度,特異度が著しく向上した便潜血テストは大腸癌検診の適切なスクリーニングの手段として利用され大きな成果を上げているが,しかし現在の免疫学的便潜血テストでも早期癌の50%以上,また2日採便便潜血テストで行っても進行癌の10~15%はfalse negativeになって見逃されており精度上これから検討すべき課題もある.

解説

下部消化管と消化管ホルモン

名倉 宏 , 木村 伯子 , 木村 光男 , 鈴木 貴

pp.502-507

 消化管,特に大腸が有する諸機能に密接なかかわりを有する消化管ホルモンについて解説した.これら消化管ホルモンの多くは消化管粘膜に存在する内分泌細胞と神経ニューロンに共通して認められる.これらは血液を介し標的細胞に情報を伝達(endocrine),また局所ホルモンとして近接する標的細胞に作用する(paracrine)のみならず,神経分泌により神経伝達物質(neurotransmitter)として,消化管に対し多彩な機能を発揮している.

大腸とプロスタグランジン

小池 一成 , 小林 絢三

pp.508-512

 プロスタグランジンをはじめとする様々なエイコサノイドカスケード代謝産物は,全身できわめてユニークで,重要な生理活性を有している.大腸においても例外でなく吸収,分泌,炎症,免疫などの場でプロスタグランジンやロイコトリエンが重要な役割を演じている.その作用について述べるとともに,近年炎症性腸疾患の治療の場で注目されているエイコサペンタエン酸について解説を加えた.

大腸粘膜のイオン輸送

奥野 優 , 中西 孝至 , 清原 達也

pp.513-517

 大腸では,粘膜のイオン輸送に伴い1日に約1.5lの水が吸収されている.大腸全体としてはNa,Clの吸収,K,HCO3の分泌が行われている.イオン能動輸送の基本的過程として①Naの起電性吸収,②NaClの共役輸送,③ClとHCO3の交換輸送,④Clの起電性分泌がある.粘膜イオン輸送の調節には神経性,パラクリン性,体液性,さらに管腔からの種々の因子が関与している.

大腸癌と遺伝子変化

井藤 久雄 , 田原 榮一

pp.518-521

 正常大腸粘膜から腺腫を経て大腸癌が発生する過程においては染色体5q (APC遺伝子)の欠失,K-rasの点突然変異さらに18q (DCC遺伝子),17p (p53遺伝子)の欠失が蓄積される.家族性大腸腺腫症ではAPC遺伝子変異が優性遺伝するため,大腸粘膜は生下時から増殖活性状態にある.K-ras点突然変異は浸潤癌よりも高異型度腺腫において頻度が高い.K-rtzs点突然変異からみる限り,de novo癌は60%以上と見積もられる.

カラーグラフ

COFFEE BREAK

青春と老年

屋形 稔

pp.512

 人生の華は青春にあり,何よりも若さに勝る宝はない.しかし現にそれを保有している人々にとっては案外この価値は忘れられているのかもしれない.私がかつてサミュエル・ウルマンの「青春」という詩に感動したのも定年を真近に控えた老年に差し掛かった頃であった.

 「青春とは人生のある期間をいうのではなく心の様相をいうのだ」という冒頭の句に老けゆく年齢への鼓舞を感じ,「人は信念と共に若く疑惑と共に老ゆる.人は自信と共に若く恐怖と共に老ゆる」を警鐘とし,「驚異への愛慕心」「人生への歓喜と興味」を失わぬ努力を自らに課したものである.

口腔疾患の病理・5

腫瘍I―上皮性由来の腫瘍

高木 実

pp.523-527

 口腔に生ずる腫瘍としては歯に由来するもの,骨に由来するもの,口腔粘膜に由来するもの,唾液腺に由来するものなどがある.歯原性腫瘍の多くは良性腫瘍で,顎骨内に生じ,口腔粘膜癌の多くは扁平上皮癌である.本文では歯原性腫瘍の分類および口腔粘膜癌の前癌病変,口腔内各部位の癌の特徴について論じた.

トピックス

皮下埋め込み型グルコースセンサー

牧野 英一 , 田代 亜彦 , 清水 義浩

pp.529

 糖尿病の慢性合併症を予防するためには厳格な血糖コントロールが必要である.しかし,インスリン依存型糖尿病は血糖値の変動が著しくその血糖コントロールは不可能に近い.そこで膵移植や人工膵臓の開発が急務であるが,わが国では膵移植は脳死問題が未解決のため実施には程遠い.そこでわれわれは人工膵臓の開発を計画したがそのキーポイントは長期間使用可能な埋め込み型グルコースセンサーにある.現在までに針状の過酸化水素型グルコースセンサーが開発され,ヒトやイヌの皮下組織中のグルコース濃度が測定されたが,まだ実用化はされていない1).その最大の理由は皮下組織中の酸素濃度が低いためセンサーに利用されている固定化酵素であるglucose oxidase(GOD)の反応が制限されるためである.1984年Cassら2)によって酸素を必要としないメディエーター型グルコースセンサーが開発された.この原理は図1に示すとおりGODの酸化体(ox)がグルコースを酸化し,その際生じる電子(e)がメディエーターが通じて電極に伝わるというものである.すでにこの原理を利用したセンサーが血糖自己測定用に市販されている.また,埋め込み型センサーも試作されているが,まだ不十分である3).一方,清水らは新しい原理に基づくミクロホール電極を用いた過酸化水素型グルコースセンサーの作製に成功した4)

サルモネラの宿主特異的病原機構

石橋 芳雄

pp.530-531

 サルモネラは,分類学上,そのDNA相同性からすべてSalmonella choleraesuis一属一菌種に属しており,単に血清型で分類されているにすぎない.このような高いDNA相同性を示すにもかかわらず,その病原性には菌の血清型と宿主動物種との間に特異性があり,S. typhi,S. paramphi Aはヒトに対しては重篤な全身性感染症(チフス症)を引き起こすが,マウスに対しては起病性がなく,逆に,S. typhimurium,S. enteritidisはマウスに敗血症を引き起こすが,ヒトに対しては局所性の急性腸炎を起こすにすぎない.このような病原性は主に,宿主マクロファージの殺菌作用に対する抵抗性によってもたらされるが1,2),宿主特異性を発現するには,各血清型のサルモネラと,ヒトやマウスなど異なる動物種マクロファージとの間で,特別な識別機構が働いている可能性が考えられる.

 ヒトおよびマウスマクロファージは主に補体レセプターを介してサルモネラを認識しているが3),補体レセプターはCR1からCR3まで3種類あることが知られており,それぞれ異なった代謝段階の補体成分に親和性を持っている(表1).マクロファージはこの中で,CR1とCR3の2種類の補体レセプターを持っている.ヒトのCR1は単一ペプチドでできており,C3bとC4bに強く結合し,C3biにも1/10程度の結合力を持つ4).また,マウスのCR1はさらに,C3d結合部位を持っている.一方,CR3はC3biと特異的に結合するレセプターで,構造的にはCR1とまったく異なっており,分子量165kDaのα鎖と95kDaのβ鎖が非共有結合した二量体である4).また,CR3はリンパ球に存在するLFA-1(CD11a/CD18),および食細胞に存在し,CR4とも呼ばれるp150.95(CD11c/CD18)の2つの接着レセプターと相同性があり,1つのfamilyを形成している.これら3つの蛋白はβ鎖が共通でα鎖にも互いに相同性がある5).このfamilyはさらに,血小板のgp II b/III a,フィプロネクチンレセプター,ピトロネクチンレセプターなどを含むintegrinsuperfamilyに属する6)

尿グルカリン酸の測定

遠藤 了一 , 花上 仁

pp.531-532

 肝細胞のミクロソームには多種多様な内因性,外因性の物質代謝に関与するチトクロームP―450(P-450)が多種類存在する1,2).周知のごとく薬物など脂溶性物質の極性化には,フェノバルビタールを代表とする薬物誘導性P-450群(1相)が主体をなしている.グリカリン酸(GA)は,P-450誘導に刺激誘導されるグルクロン酸代謝系(2相)の終末代謝産物として尿中に排泄(uGA)される.したがってuGAは薬物代謝2相の誘導状況を反映し,間接的な肝P-450誘導の指標となる.一般にP-450遺伝子群は,その分布と発現機構が多様性である.臨床的には妊婦,新生児期,各種の病態における薬物代謝機能の評価に役立つ検査法の開発は有用性が高い.

 GAの測定は尿を酸性下で熱処理し,GAをD―グルカロ-1,4―ラクトンと平衡させ,β―グルクロニダーゼ活性阻止率から精度よく求められる3~5)

多波長時間ゲート法光CT

篠原 幸人 , 川口 文男

pp.532-533

 光CTとは被写体に光を照射し,透過光から被写体内部の物質の分布を計算機処理により画像化するもので,照射光の波長を選ぶことにより特定の化学物質の分布を選択的に画像化できるという特徴がある.このため光の波長を的確に設定することで生体内の代謝や循環の様子を非侵襲的に画像化できる可能性があり,特に脳の循環や代謝への臨床応用が期待され,光エレクトロニクス技術の進歩に伴い,実用化を目指した研究が活発化している.しかし生体組織の強い光散乱のため人間への適用の見通しは立っておらず,主に基礎技術の開発とその評価のための小動物による画像化実験が進あられている1~3)

 光CTに用いられる可視から近赤外波長域の光は被検体である生体組織により,強い散乱を受ける.このため生体に入射した光は直進することができず多数回の散乱により複雑な経路を通り検出器に入射する.したがってこの透過光により得られるデータは散乱と吸収の影響を複雑に含んでおり,そこから正確な吸収量を求め,さらに画像化するにはX線CTなどとは異なる新しい画像化技術の開発が必要となる.このような技術課題の解決を目的とした方式がいくつか提案されているが実用化には至っていない2,4)

三重鎖DNAとその結合蛋白質

木山 亮一

pp.534-535

 転写制御因子(transcription factor)の多くはDNAの特定の塩基配列を認識して正あるいは負の転写制御を行う.これらの蛋白質がDNAに結合する時,DNAの二重鎖はほどけて塩基が露出するわけではなく,蛋白質は二重らせん構造のままらせんの中心にある塩基対を認識する.DNAの二重らせん構造には大小の溝(majorとminorgroove)があるが,アデニン,チミン,グアニン,シトシンの4つの塩基を区別できるのは蛋白質がmajor grooveから塩基対を覗いた時だげである.一方,ある種の蛋白質はminor grooveに結合するが,これらの塩基配列認識はあまく,例えばトポイソメラーゼIIやピストンなどはA+T-richな配列に高い結合能を有する.

 DNAの三重鎖構造は二重らせん構造のmajorgrooveにDNAの鎖がもう一本結合したものである(図1).どのような塩基配列でも三重鎖DNA構造をとれるのではなく,ポリプリン・ポリピリミジン配列(一方の鎖にプリン塩基であるアデニンとグアニンが並び反対の鎖にはそれに相補的なピリミジン塩基のチミンとシトシンが並んだ配列)に特異的な構造で,3番目の鎖としては条件によりポリプリン鎖あるいはポリピリミジン鎖がくる.核酸の三重鎖構造(最初は三重鎖RNA)が初めて報告されたのは1957年であるが,最近になってようやくその生物学的な役割が明らかになってきた,その1つがヌクレアーゼ感受性部位の存在である.遺伝子領域,特に上流の転写制御領域にはDNase IあるいはS1ヌクレアーゼに感受性のある部位がその遺伝子の発現に応じて現れたり消えたりする.例えばニワトリのβAグロビン遺伝子の約200bp上流にある16bpのポリグアニン配列は,遺伝子発現の時期(発生14日後の赤血球)にDNase Iに対して高感受性部位(hypersen-sitive site)となる1).このようなポリプリン・ポリピリミジン配列は高等動物のゲノムDNAに頻繁に現れるために,さまざまな生物学的現象との関与が指摘されている2,3).

海外だより

タンザニア

山川 愛

pp.536

 私の配属はタンガ市役所のマラリア・コントロール・ユニットである.タンザニアと日本との共同プロジェクトであるマラリア・コントロール・プロジェクトは,タンザニアの実質の首都ダラエスサラームとそこから380km離れて北にある都市タンガで1988年から5年間という期間で行われている.実際のプロジェクトは以下の4チームの活動で形成されている.

①薬剤散布チーム(屋内残留噴霧,殺虫散布,ULV空間散布)

研究

胆汁細胞診―日常検査における問題点

小林 省二 , 荻野 哲朗 , 舩本 康申 , 岸田 不二夫 , 河野 幸治 , 沖野 毅 , 平川 栄一郎 , 羽場 礼次

pp.545-549

 249症例の胆汁細胞診のうち悪性腫瘍の組織診断のついている62症例,121検体について診断の正確さについての再検討を行った.

 再検討の結果,陰性と疑陽性が減少し陽性判定が増加した.胆汁中にみられる癌細胞は基本的には他臓器の所見と同じではあるが,①腫瘍細胞が他臓器に比べて小型である場合が多い.②腫瘍細胞が細胞集塊を作らず散在性に現れやすい.③胆汁,膵液のために細胞の変性が起こりやすい.特に①と②が同時にみられると陽性が疑陽性にされる傾向があった.

経皮的留置カテーテルの微生物汚染の防止法に関する検討―消毒剤添加EVA製円盤の効果

本田 武司 , 三輪谷 俊夫 , 酒井 慎一 , 高塚 旨寛 , 小池 紀夫 , 藪下 安紀 , 藤田 昌英

pp.551-555

 われわれは,カテーテル由来感染症を防止する抗感染性カテーテルの開発を進めている.カテーテル留置初期から感染防止効果を持たせるために,本論文では,切開を行うことなく穿刺法でカテーテルを留置し,刺入部を抗菌性材料(クロルヘキシジン加EVA)で被覆する方法について動物を用いて検討した.

 その結果,被覆材料に抗菌性を持たせることにより菌の侵入を低減し,感染防止効果を発揮する可能性が示唆された.

資料

レフペーパーを用いた血中総胆汁酸の測定法とその臨床的検討

松田 兆史 , 秋浜 澄行 , 李 顕銧

pp.556-559

 ①酵素法を応用した,簡便なドライケミストリーを用いた血清胆汁酸の測定法の検討を行った.

 ②本法は従来法(エンザバイル・2)と良好な相関性を示した.

 ③各種再現性の検討結果および希釈試験の結果は,それぞれ良好な成績が得られた.

 ④共存物質の影響の検討の結果,アスコルビン酸は本法に対して高濃度で正の,低濃度で負の影響を与えた.またビリルビンも若干の負の影響を与えた.

 ⑤本法は小規模診療機関における肝機能検査としての血清胆汁酸測定として有用であると考えられた.

質疑応答 臨床化学

各種の電解質測定法の長所と短所

Q生 , 高原 喜八郎

pp.561-563

 Q 上についてお教えください.また各方法の利用状況についても併せてご教示ください.

レニンとその測定法

N生 , 竹下 栄子 , 入 久巳

pp.563-565

 Q 血漿レニン濃度とレニン活性の違いについてお教えください.

血清ビリルビンの分子構造

K生 , 坂岸 良克

pp.566-567

 Q 血清ビリルビンについて,その分子構造の違いを,また日常のJendrassik法ではどの分子を測定しているのか,併せてお教えください.

糸球体濾過値の測定法

K生 , 折田 義正

pp.568-569

 Q 糸球体濾過値の測定法について,新しい検査法も含めて,その原理と各測定法の特徴をお教えください.

質疑応答 血液

血小板凝集能検査の抗凝固剤

近藤 美佳 , 坂場 幸治

pp.570-571

 Q 血小板凝集能測定において,3.13%または3.8%クエン酸Naで,血小板が凝集してしまう患者がいます.このような場合,抗凝固剤は何を使用すればよいのむしょうか.ご教示ください.

質疑応答 一般検査/その他

フルオレッセインの測定法/電波の人体に及ぼす影響

杉山 寛 , 東野 健 , 竹田 喜信 , K生 , 相本 篤子

pp.572-574

 Q 上記についてご教示ください.

基本情報

臨床検査

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1367

印刷版ISSN 0485-1420

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64巻9号(2020年9月発行)

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今月の特集2 MDS/MPNを知ろう

59巻9号(2015年9月発行)

今月の特集1 乳腺の臨床を支える超音波検査
今月の特集2 臨地実習で学生に何を与えることができるか

59巻8号(2015年8月発行)

今月の特集1 臨床検査の視点から科学する老化
今月の特集2 感染症サーベイランスの実際

59巻7号(2015年7月発行)

今月の特集1 検査と臨床のコラボで理解する腫瘍マーカー
今月の特集2 血液細胞形態判読の極意

59巻6号(2015年6月発行)

今月の特集1 日常検査としての心エコー
今月の特集2 健診・人間ドックと臨床検査

59巻5号(2015年5月発行)

今月の特集1 1滴で捉える病態
今月の特集2 乳癌病理診断の進歩

59巻4号(2015年4月発行)

今月の特集1 奥の深い高尿酸血症
今月の特集2 感染制御と連携—検査部門はどのようにかかわっていくべきか

59巻3号(2015年3月発行)

今月の特集1 検査システムの更新に備える
今月の特集2 夜勤で必要な輸血の知識

59巻2号(2015年2月発行)

今月の特集1 動脈硬化症の最先端
今月の特集2 血算値判読の極意

59巻1号(2015年1月発行)

今月の特集1 採血から分析前までのエッセンス
今月の特集2 新型インフルエンザへの対応—医療機関の新たな備え

58巻13号(2014年12月発行)

今月の特集1 検査でわかる!M蛋白血症と多発性骨髄腫
今月の特集2 とても怖い心臓病ACSの診断と治療

58巻12号(2014年11月発行)

今月の特集1 甲状腺疾患診断NOW
今月の特集2 ブラックボックス化からの脱却—臨床検査の可視化

58巻11号(2014年10月発行)

増刊号 微生物検査 イエローページ

58巻10号(2014年10月発行)

今月の特集1 血液培養検査を感染症診療に役立てる
今月の特集2 尿沈渣検査の新たな付加価値

58巻9号(2014年9月発行)

今月の特集1 関節リウマチ診療の変化に対応する
今月の特集2 てんかんと臨床検査のかかわり

58巻8号(2014年8月発行)

今月の特集1 個別化医療を担う―コンパニオン診断
今月の特集2 血栓症時代の検査

58巻7号(2014年7月発行)

今月の特集1 電解質,酸塩基平衡検査を苦手にしない
今月の特集2 夏に知っておきたい細菌性胃腸炎

58巻6号(2014年6月発行)

今月の特集1 液状化検体細胞診(LBC)にはどんなメリットがあるか
今月の特集2 生理機能検査からみえる糖尿病合併症

58巻5号(2014年5月発行)

今月の特集1 最新の輸血検査
今月の特集2 改めて,精度管理を考える

58巻4号(2014年4月発行)

今月の特集1 検査室間連携が高める臨床検査の付加価値
今月の特集2 話題の感染症2014

58巻3号(2014年3月発行)

今月の特集1 検査で切り込む溶血性貧血
今月の特集2 知っておくべき睡眠呼吸障害のあれこれ

58巻2号(2014年2月発行)

今月の特集1 JSCC勧告法は磐石か?―課題と展望
今月の特集2 Ⅰ型アレルギーを究める

58巻1号(2014年1月発行)

今月の特集1 診療ガイドラインに活用される臨床検査
今月の特集2 深在性真菌症を学ぶ

57巻13号(2013年12月発行)

今月の特集1 病理組織・細胞診検査の精度管理
今月の特集2 目でみる悪性リンパ腫の骨髄病変

57巻12号(2013年11月発行)

今月の特集1 前立腺癌マーカー
今月の特集2 日常検査から見える病態―生化学検査②

57巻11号(2013年10月発行)

特集 はじめよう,検査説明

57巻10号(2013年10月発行)

今月の特集1 神経領域の生理機能検査の現状と新たな展開
今月の特集2 Clostridium difficile感染症

57巻9号(2013年9月発行)

今月の特集1 肺癌診断update
今月の特集2 日常検査から見える病態―生化学検査①

57巻8号(2013年8月発行)

今月の特集1 特定健診項目の標準化と今後の展開
今月の特集2 輸血関連副作用

57巻7号(2013年7月発行)

今月の特集1 遺伝子関連検査の標準化に向けて
今月の特集2 感染症と発癌

57巻6号(2013年6月発行)

今月の特集1 尿バイオマーカー
今月の特集2 連続モニタリング検査

57巻5号(2013年5月発行)

今月の特集1 実践EBLM―検査値を活かす
今月の特集2 ADAMTS13と臨床検査

57巻4号(2013年4月発行)

今月の特集1 次世代の微生物検査
今月の特集2 非アルコール性脂肪性肝疾患

57巻3号(2013年3月発行)

今月の特集1 分子病理診断の進歩
今月の特集2 血管炎症候群

57巻2号(2013年2月発行)

今月の主題1 血管超音波検査
今月の主題2 血液形態検査の標準化

57巻1号(2013年1月発行)

今月の主題1 臨床検査の展望
今月の主題2 ウイルス性胃腸炎

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