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文献詳細

雑誌文献

臨床検査36巻8号

1992年08月発行

文献概要

血管病変の病理・2

動脈の攣縮―発生機序と疾患

著者: 桜井勇1 新橋真理1 生沼利倫1

所属機関: 1日本大学医学部第二病理学教室

ページ範囲:P.889 - P.896

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 動脈はただの管ではなく,その壁自体が収縮もし拡張もする.動脈の過度の収縮(攣縮)によって,その動脈が血液を供給している諸臓器に虚血性の傷害を起こしうる.例えば,異型狭心症や心筋梗塞症,クモ膜下出血後の脳動脈攣縮,急性腎不全や両側腎皮質壊死,胃潰瘍なども動脈の過度の収縮によるとの考えがある.動脈攣縮は血管造影によって証明できるが,病理組織学的にも動脈壁に中膜平滑筋細胞の周核空胞のような形態学的変化も認められる.
 動脈攣縮を起こす機序は複雑で,多数の因子が絡み合っている.その中で,特に内皮細胞と中膜平滑筋細胞の相互作用ならびにアセチルコリン誘発冠動脈攣縮の発生機序に関するわれわれの考え方を記述した.〔臨床検査36:889-896,1992〕

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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