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文献詳細

雑誌文献

臨床検査36巻8号

1992年08月発行

TOPICS

MRSAの感染予防にお茶のエキス

著者: 島村忠勝1

所属機関: 1昭和大学細菌学

ページ範囲:P.904 - P.905

文献概要

 茶の抗菌・殺菌作用については腸管感染症起因菌に関し,このトピックス欄で以前(33巻3号,323-324,1989)紹介した.その後の研究によって,茶が百日咳菌,マイコプラズマなどの呼吸器感染症起因菌や白癬菌に抗菌・殺菌作用を示すこと,黄色ブドウ球菌α毒素,腸炎ビブリオ耐熱性溶血毒,コレラ溶血毒,コレラ毒素や百日咳毒素などの細菌性外毒素の作用を阻害すること,およびインフルエンザウイルス,ロタウイルス,ポリオウイルスなどの感染性を阻止することが判明した.また,これらの作用を示す本体はカテキンやテアフラビンであり,その構造と機能の関係もカテキン誘導体やその構造類似物質を用いて明らかにされている.さらに,茶がコレラやインフルエンザに対して感染防御能を有することは動物実験により確かめられている.
 最近問題になっている感染症にAIDSがある.茶はHIVの逆転写酵素の活性を阻害することはできるが,HIVそのものを不活化したりHIVの感染を阻止することはできない.もう1つの問題となっている感染症にmethicillin resistant Staphylococcus aureus(MRSA)があり,病院内で多発し,その感染防止対策が望まれている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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