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今月の主題 赤色尿 病態解説
発作性夜間血色素尿症
著者: 藤岡成德1
所属機関: 1三井記念病院血液内科
ページ範囲:P.987 - P.992
文献購入ページに移動発作性夜間血色素尿症(PNH)は夜間睡眠時の血管内溶血,肉眼的ヘモグロビン尿,汎血球減少症,易感染性,深部静脈血栓症,出血傾向,鉄欠乏性貧血など多彩な症状を示す後天性血液疾患である.これらは血球減少とともに,補体制御蛋白などのGPI結合膜蛋白の欠損という質的異常に原因があることが明らかにされた.わが国のPNH例の末梢血液.骨髄所見,血液生化学所見,補体溶血機序,合併症と予後などについて述べた.フローサイトメトリーによる分析で,PNHの血球異常は赤血球,顆粒球,血小板などすべての血球に観察され,PNHがクローナルな疾患であることが明確になった.その発症に再生不良性貧血との関係が注目されている.〔臨床検査36(9):987-992,1992〕
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