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文献詳細

雑誌文献

臨床検査37巻1号

1993年01月発行

文献概要

TOPICS

味を測るセンサー

著者: 都甲潔1

所属機関: 1九州大学工学部

ページ範囲:P.77 - P.79

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1.はじめに
 特定の化学物質を選択的に高感度で検出するには,酵素センサーが一般的であろう.従来の多くのセンサーも特定の量を高感度で拾うことを目的にしている.事実,体温計は温度のみに応答するし,CCDビデオカメラも光のみを検出する.つまり,既存のセンサーは選択性が売り物である.しかし"味"を検出する場合はやや状況が異なる.というのも,私たちはある食品を口にするとき,その中の数千種類ともいわれる味物質を識別せずに,総合的に酸っぱいとか塩辛いとか論じている.
 それでは,酵素センサーを多数個並べて味を測ることは可能だろうか.これも現時点では不可能である.というのも,味物質は数十万個ともいわれており,これらすべてに応答する酵素センサーをそろえることはできない.加えて味物質間には,互いに相手を強めあったり,弱めあったりする効果があり,これを再現しなければならない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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