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雑誌目次

雑誌文献

臨床検査37巻11号

1993年10月発行

雑誌目次

特集 ロボティクスと臨床検査

序論

ロボティクスと臨床検査

河合 忠

pp.5-8

はじめに

 今回,本誌増刊号で取り上げたロボティクス(robotics)は,単に道具としてのロボットではない.部分的な検査業務を小型のロボットで置き換えることも必要であるが,それ以上に臨床検査の全工程を自動化するに当たっての技術と問題点をまとめることを目的とした.すでにさまざまな自動分析装置が市販されているが,それは他誌または本誌でも掲載してきた.したがって,今回はそれらの自動分析装置についてほとんど触れず,その導入を基礎として,さらに今後ますます増加するであろうコンピュータ導入とを結び付けていくシステム化に伴うさまざまな周辺の技術と問題点を現時点でまとめることにある.

Ⅰ.総論

1.ロボティクス展望

菊地 眞

pp.10-15

はじめに

 今日では,ほとんどの自動化された製造作業や検査工程は,あらかじめ定められた機能を実行するように設計された専用システムによって行われている.しかし,いわゆる"ハードオートメーションシステム"と呼ばれるこのようなシステムでは作業の柔軟性に欠けるため,現在ではさまざまな作業環境で多様な機能を発揮するロボットに強い関心が集まりつつある.

 ロボットは,チェコ語で労働を意味する"robota"という言葉からきている.Webster辞典によれば,ロボットは"本来は人間のものであるような機能を遂行する自動装置"と定義されているが,このような定義では,洗濯機もロボットであるということになりかねない.さらに産業用ロボットに関してアメリカ・ロボット協会では"ロボットとは,さまざまな作業を行うために運動をプログラムして,材料,部品,道具や特殊な装置を動かすように設計された再プログラム可能な多機能マニピュレータである"と定義されている.つまりロボットは,種々の作業が実行できるように外界センサを有した再プログラム可能な汎用マニピュレータと言うことができ,前述したハードオートメーションシステムとの差異は知能(intelligence)を内蔵するか否かにかかってくる.

2.検査用ロボット

小澤 恭一

pp.16-19

はじめに

 "検査用ロボット"という題をいただいたが,そういう名前に該当する物が市販されているわけではないから,"いわゆるロボット"が臨床検査の場で現在どのように使われており,これからどのように使われていくのかについて論ずること,と解釈したい.しかし,"ロボティクスと検査業務"という項も他にあるので,ここでは,どんなロボットがあって,どのように使われており,どのように使われたらよいか,そして,使おうとするときに,あるいは,使った場合に,どのような問題があり,どのような利益が得られるか,などについて述べたい.このことについてはほかにまとめたものがあるので参照されたい1)

 さて,上に"いわゆるロボット"と書いたが,これはロボットという言葉の意味にちょっとこだわりを持っているということを表現したかったからである.実際,ロボットという言葉の定義は難しいものであって,作る立場,使う立場などによって,それぞれ異なった意味や定義を持っている.これらについて,今,論ずるわけにはいかないので他に譲ることにして,ここでは,産業用に使われているロボットと同じようなもの,"いわゆるロボット"をロボットであるとして先に進むこととする.

3.ロボティクスと検査業務

上杉 四郎

pp.20-26

システム化の必然性

 臨床検査が診療各科の検査室や研究室から離れ,中央診療部門の施設として中央検査部で行われるようになってから半世紀を越えようとしている.この間に,臨床検査の診療における病態情報としての役割は飛躍的に発展し,その発展に対応して臨床検査機器は数々の技術革新を経て可能な限りの自動化を求めてきた.

 第25回日本医師会臨床検査精度管理調査報告書資料1)から,参加施設の自動分析機器導入率の年次推移を図1に示した.これによれば,1979年を境に自動分析機器数が参加施設数を上回り,平成3年度の自動分析機器導入率は約160%にも達している.一方,総臨床検査件数も各施設ともに年々増加しており,秋田大学付属病院中央検査部における総検査件数は,開院年度を1.0とすると,10年後の昭和55年度で4.7倍となり,20年後の平成2年度では8.8倍と上昇した.また,総検査件数の約50%は臨床化学検査件数であり,総検体検査件数としては約99%を占めている.総検査件数に対する各検査部門別件数比率を図2に示した.

4.検査診断とコンピュータ

佐々木 匡秀

pp.27-30

はじめに

 臨床検査にあっては,1つの検査項目のみを測定して,この病気だと即座に検査診断をつけることが不可能なものが多い.とりわけ,臨床化学検査にあっては然りである.

 理由は,検査の手段が,生体の代謝産物類を数多く血液から採り出して分析し,その変動によって病態を知ろうとするからである.卑近な例をとれば,国道を走る自動車類をトラック,バス,乗用車などと数え,機種別,メーカ別に分類することで,わが国の経済状態,または自動車産業界の隆盛をうかがおうとするのと同様である.

Ⅱ.センシング

1.電気的センシング

嶋津 秀昭

pp.32-35

はじめに

 検体の化学量,物理量の計測には,多くの種類の計測技術が利用されている.特に対象とする量を定量的に一定の基準をもって測定するためには,各種のセンサ(トランスデューサ)が必要になる.センサとは感覚器のことを言うが,一般にトランスデューサの意味でよく使われる.トランスデューサとは変換器を言い,各種の情報を異なった物理量に変換する際に用いられる.

 化学量,物理量の計測のためのセンサの多くは,必ずしも生体や検体検査のために考案されたものではないが,検体検査に際しては,①対象となる血液,体液,組織などに変成を起こさないこと,②これらの物質中で安定に動作し続けること,③診断に誤りのないよう高精度に計測しうること,などの諸条件が満たされなければならない.

2.機械的センシング

山越 憲一

pp.36-43

はじめに―機械量センサと検体検査

 最近の高度医療の発展に伴い検体検査機器は高品質化され,多数の検体処理も可能になり,ますます自動化の方向へ推移してきている.多くの検査機器1,2)には圧力や流量,位置(変位),速度(回転数),液量(質量)など機械・力学量の検出部が備えられており,自動化には通常センサ出力を操作部(アクチュエータ)を介して目的とする標準量に一致させる技術(一般にサーボ技術)が使われる.

 表1は検知対象となる一般的な機械・力学量とそれぞれのセンサの種類・名称,応用される変換機能・原理,および検体検査機器に利用されているあるいは今後自動化技術に利用されうると思われる検査機器についてまとめたものである.ここでは,これらの中からヒ要な機械量を取りあげ,そのセンシングと主なサーボ技術のいくつかについて概述する.

3.光学的センシング

荒井 恒憲

pp.44-47

はじめに

 光学的センシングは原理的に非接触,高感度で,照射光強度に注意すれば非破壊の計測が簡単に実現できる.また,計測可能な情報の多様性にも特徴がある(図1).このような観点から光学的センシングは臨床検査における自動化を支える基盤技術としてきわめて重要である.本稿では臨床検査における光センシングを比較的新しい技術も含めて概説する.

4.画像的センシング

本間 一弘 , 鎮西 清行

pp.48-52

はじめに

 臨床における各種の検査では検体を顕微鏡などにより直視下で観察し,診断のために形状や色の変化を分析する.一方,X線,X線CT, RI, PET,超音波,MRIなどの画像診断機器を用いて生体内部の状態を可視化し,両像から抽出される特徴(組織の形状や物性値)を解析して,計算機により分析を行う.このように画像処理による細胞の認識・分析や組織診断は,現状の基礎医学,臨床医学において不可欠な技術となっている.本論文は臨床検査,臨床診断で用いられるこれらの画像化,画像処理技術およびパターン認識技術の現状に関して概説する.

5.化学的センシング

高原 喜八郎

pp.53-57

はじめに

 化学的センシングとは,検体中の目的物質量(mol/lなど)を,それに比例した電気信号量(電流,電圧など)に変換して,それらの電気信号量を測定して検体中の目的物質量として表示するシステムであると定義されよう.このシステム中で,物質量(化学量)を電気量に変換する素子を化学センサ(図1)と称し,多成分の混在する検体試料中から目的物質のみをより分け認識する"物質認識部"と,より分けた物質量を信号に変換する"信号変換素子"から成っている.すなわち,本稿においては溶存O2量は電流量に,pH (H濃度),イオン電極(Na,K,Cl),ドライケミストリ(Na,K,Cl)は起電力量(電圧の変化量)に変換し,その他の物質を定量するドライケミストリでは光電流に変換して測定が行われている.

6.生物的センシング

相澤 益男

pp.58-61

はじめに

 生物的センシングは,①生体物質を利用したバイオセンサ,②生体計測用センサ,および③感覚機構をシミュレートしたセンシングシステムなどを広く包含する.診断技術にはこれら多種多様な生物センシングが応用されており,その応用展開はますます多様化してきた.ニーズは増大する一方であるが,研究開発の対応が遅れている.

 バイオセンサが広く認知されるようになったのは1980年代に入ってからである.そしてこの10年間,バイオセンサの研究開発はめざましい進展を遂げた.バイオセンサの先駆けともなった酵素センサは1970年代半ばに実用段階に達し,reagentless analysisの幕を切り,その後も順調に伸びて不動の位置を確保している.しかし,1980年代に入ってからの酵素センサの画期的な進展は,spot analysisのためのディスポーザブルな酵素センサの実現である.ディスポーザブルにするために,酵素センサの作製に革新的変革が行われた.これらの革新技術は酵素センサの発展に新しい道を拓くことにもなった.

Ⅲ.情報処理

1.LANとクライアント/サーバ・コンピューティング―ロボティクス時代に向けた検査部門コンピュータシステム

松崎 駿二

pp.64-68

はじめに

 病院の検査部門にコンピュータシステムが導入され始めたのは,医療事務用コンピュータシステムと同様に20年以上昔,昭和40年代である.しかし,その後,導入メリットの評価が困難なこともあって,メリットの評価が容易な医療事務システムや自動分析装置などの普及とは比較にならないほど遅々とした普及経過をたどってきた.検査部門担当者の意識が低かったのももちろん一因であろうが,やはり導入に見合うだけのメリットが足りず価格が高すぎたことが普及遅延の主因であろう.また,大多数の検査部門担当者にとって,取り付き難く理解できなかったことも一因に挙げられるだろう.

 さて,時代は進み,コンピュータシステム業界の当事者であるわれわれですら,あまりの激流に溺れてしまうのではと心の休まらぬ進歩と変革が,特にこの2~3年(1990~92年)に起こっている.

2.信頼性保証のためのロジックチェック

細萱 茂実 , 久米 章司

pp.69-73

はじめに

 臨床検査の目的は,疾病の診断,治療経過の観察,予後判定,健康管理などに有用な客観的生体情報を提供することにある.検査データがこれら本来の目的に沿って機能するためには,検査値の正確さや精密さなどの信頼性,時間的要因としての迅速性や適時性,被検者への低負荷,簡便性,安全性,低コストなど多面的な特性を保証する必要がある.なかでも,信頼性の保証は病態把握に直結する最も基本的かつ重要な要因である。一方,近年の臨床検査はその質・量ともに著しく増大化しており,大量・迅速な処理を目指し,大型自動分析装置や情報処理システムなどを積極的に駆使する状況にある.これら臨床検査システムにおいては,検査データの信頼性を保証するための,一定の理論に基づいたチェック機構の確立が不可欠となる,ここでは,臨床検査の処理過程に沿って,各段階におけるチェックロジックを整理する.

3.検査診断ロジック

高橋 浩 , 松尾 収二 , 山本 慶和

pp.74-82

はじめに

 臨床検査システムを組み立てる場合,2つの視点から捉えることができる.1つは正確性,迅速性,微量化などいわゆる検査の基本的な機能の向上を目ざしたシステムであり,もう1つは測定値だけでなく,その意味するところの解説を添えて報告し,診療の場での医師の判断を支援する患者指向のシステムである.前者は臨床検査システムの必要条件であり,後者は十分条件と言うことができよう.

 検査データを解析し病態情報として報告書上に表現する試みは,すでに40年以上も前に,当時山口大学臨床病理学教室を主宰していた柴田進教授らによって提唱された血液スペクトル法に始まる.これは組み合わせ検査により病態をグラフ表示し,そのパターンにより病名を診断する方法であった.以後,種々の手法を用いた病態解析が試みられるようになった.しかし,これらの実用化あるいは普及となると依然遅々とした歩みである.筆者らはこのことを意識しながら検査診断システムの考え方・あり方を述べるとともに,当院における実例を示し問題点やこれからの取り組み方について述べたい.

4.LALPシステム―考える検査

上杉 四郎

pp.83-87

はじめに

 臨床検査が診療各科の検査室や研究室から離れて中央診療部門の施設として中央化されると,速やかな検査検体の増加と集中化がみられるようになった.それぞれの検査室は比色測光の自動化から測定の自動化へ,そして分析の自動化へと対応していった.臨床検査機器も数々の技術革新を経て可能な限りの自動化を求めて発展した.

 このように臨床検査の自動化が導入されてからほぼ半世紀が過ぎようとしている.平成3年度の日本医師会臨床検査精度管理調査報告1)によれば,参加施設の自動分析機器導入率は約160%に達し,大学病院・研修指定病院では200%を越えている.また,自動化の様式もそれぞれの施設によって多様であり,直接関与する検査業務とのかかわり合いも異なる.

5.自動診断から治療に連なるシステム

七里 元亮 , 宮田 高雄

pp.88-93

はじめに

 今日,患者の病態計測において情報がますます重要となり,特異性に加え,計測内容の多様化,大量処理,あるいは迅速処理などが求められている.一方,臨床医学の究極の目標は患者にとって最適の治療を施すことであり,そのためには刻々と得られる情報をいかに患者の治療に反映させるか,すなわち生体情報の連続モニタリング・システム,さらに計測と治療制御のフィードバック・ループから成る治療制御システムの開発が最も望まれるところである.

6.遠隔病理診断(テレパソロジー)

斎藤 建

pp.94-97

はじめに

 さまざまな画像診断の分野のうち,病理学的診断のための画像作製,つまり標本作製の主要な過程はまだ手仕事である.病理学的画像診断の自動化は,それが最も容易と考えられた婦人科領域の細胞診で,20年以上前から試みられてきた.しかし,まだ実用化されておらず,現在ではその試みさえ中断されている.本号でも画像処理,パターン認識,三次元認識の新たなセンシング技術が紹介されているが,自動機器による画像診断が,人の目による画像診断を,コストパフォーマンスの点でも凌駕できるようになるには,今後かなりの時間が必要であろう.

 病理学の分野で,現代のハイテク技術が実用化されつつあるのは,診断そのものについてではない.病理画像の遠隔地伝送システムにハイテク技術が応用されているのである.病理検体あるいは標本を人が持って行ったり,郵便で運んだりするのは時間と手間がかかる.その逆に,人がわざわざ遠くまで標本を見に行くのも大変だから,標本や人を運ぶ代わりに画像を送ろうということである.これは一般の検体検査における,検体搬送システムに相当するとも言えよう.

7.遠隔装置診断

松崎 充

pp.98-101

はじめに

 最近の臨床検査機器の大部分は高度に自動化され,メカトロニクス技術が集約されている.自動化機器は人手による測定に比べて精度・処理量などが優れる反面,機器にトラブルが生ずると人が操作を補完することは不可能になることが多い.機器の故障対策には各社相当の努力を払っているが,大衆機器(自動車や家電製品などの大量製造品)に比べトラブル頻度はかなり多いと言わざるをえない.

 装置故障の原因には各種のものがあるが,機械部分の動作不良が大部分で,トラブルの前に何らかの異常を示すのが一般的である.機器を故障させないためには,異常の徴候をいち早く捕らえ,素早く対応することが貴重な検体のロスや,不要な経済的負担を回避する最も有効な手段である.

Ⅳ.検体搬送システム 1. 開発のフィロソフィ

1)(株)日立製作所

高畑 藤也

pp.104-109

はじめに

 検体搬送システム(検体検査の自動化・システム化)は,近年急速に伸び注目を集めてきた分野である.当社においても1989年に生化学検査を主体にした検体搬送システムの第1号機を納入して以来,現在までに30数施設に大小さまざまな規模のシステムを納めてきた.

 しかしながら,今回検体搬送システムの"開発のフィロソフィ(philosophy)"というテーマで執筆依頼を受け,いささか困惑している.われわれメーカの検体搬送システムに対する取り組みは,最初に立派に確立したフィロソフィ(哲学)があって,それに基づいてシステム構築が行われたというよりも,例えば表1に掲げられるような検査室での顧客のニーズにいかに応えるかという観点から,各施設に合ったシステム化の計画が立案され,それに基づいてメーカが製品化を進めてきたというのが実情であると考えている.

2)東芝メディカル(株)

諏訪 良昭

pp.110-113

はじめに

 今日の臨床検査室における自動化は大変な進歩を遂げてきたが,その中身を見ると,①前処理業務,②分析業務,③後処理業務,に分類される.

 このうち②の分析業務の自動化は目を見張るものがある.今から30数年前,テクニコン社AAI型の自動分析装置が開発されてから,生化学をはじめ,血液学,免疫学など,目的・用途別に数多くの自動分析装置が開発されてきた.ただし,これらの多くは単体指向で開発されているため,単体で使用するには十分な機能を持っているものの,検査室自動化システムに適していない.

3)東亜医用電子(株)

林 正好 , 稲垣 明

pp.114-116

はじめに

 臨床検査における搬送システムの導入は,近年飛躍的に伸びている.これは搬送システムを導入することにより,検査の合理化・省力化および経済的なメリットが評価されていることによる.なかでも血液検査における搬送システム1)は,血液の遠心分離などの操作が不要なことからコンパクトなシステム構築ができること,またクローズ方式での測定が可能なことからバイオハザード対策としても有効であるため,現在国内外の数多くの施設2~4)で検討され導入されている.

 われわれメーカは,システム商品の開発にあたり,現時点のユーザニーズを反映するだけでなく,長期的な展望を立て設計を進めた.まず,検査室のシステム構築の真の目的は何であるかを明らかにし,その目的達成のための血液検査システムとしてのアプローチを試みた.ここに,現在の搬送システムについての基本的な考え方を述べるとともに,今後の方向性についての考察を加えたい.

4)(株)島津製作所

佐藤 教博

pp.117-120

はじめに

 近年臨床検査において,検査精度はもとより迅速検査対応や24時間緊急検査対応による患者へのサービス向上が強く要求されるようになってきている.また一方,週休2日制の導入や感染予防策など,労働環境の改善も求められ総合的な検査の自動化が望まれている.

 当社では,このようなニーズに対応するために緊急検査に最低限必要となる自動生化学分析装置,自動血球計数装置,血液凝固測定装置,尿分析装置などを接続した自走式ロボットによる検体分配搬送システムを開発したので紹介する.

5)シグマ精器(株)

戸辺 成四郎 , 宮前 敏一

pp.121-127

はじめに

 近年,目覚ましい技術革新の進む中,医療分野においても医療事務処理システムをはじめ診療予約システム,患者監視システム,病歴管理システム,臨床検査システムなど,コンピュータ化・自動化を中心に医療技術革新が急速に進展してきた.従来,医療は医師を中心とした医療従事者と患者との人間関係に基づく対人サービスという観念が強く,機械化の困難な領域と考えられてきたが,特に臨床検査部門においては,その種類と量の増加,検査技術の進歩さらには医療診断における有力な手段としての必要性などに迫られ,いち早くコンピュータ化・自動化という新たな変貌を遂げた.

 臨床検査は,被検者から得られた材料に基づいた検査(検体検査)と直接被検者を対象とした検査(生体検査)とに大別されるが,特に前者における血液・生化学検査の自動化は,各種分析機器や機材などの開発を中心に目覚ましい発展を遂げている.生化学自動分析装置をはじめ,自動血球計算機,自動血液塗抹標本作製装置,自動電気泳動装置,自動電解質分析装置,自動免疫化学分析装置など,次々と新規分析装置が開発され,これらいずれもが処理能力,処理スピード,検査精度などの面において著しい向上を果たしており,臨床検査機器の進歩には目を見張るものがある.

6)(株)ニッテク

若竹 孝一

pp.128-132

はじめに

 今を去ること10年ほど前,展示会などで,さまざまな臨床自動検査装置を見ながら,同一検体の依頼項目を,別々に検査するすべての検査装置が1つの"箱"の中に凝集し,検査員が全員その箱の外に出ることになれば,検査作業が著しく簡易化されることはもとより,購入設備費が安く,場所も取らず,ひょっとすると検査室が"自動検査販売機"のようなものになるのでは,と思ったものである.

 仮にこれが実現すると,患者は"自動検査販売機"で,検査料を先払いして検査を受け,検査結果を患者自身が受け取る.そうすることにより,目的の病(医)院では,本検査以外の検査を受けるだけでよく,検査結果に基づいて直ちに治療を受けられるし,また検査日の数日内の転院であれば,検査結果を持っているので,同じ検査を受けなくて済み,結果的に,同一検査のむだが減り,医療費が抑制される.

7)(株)エイアンドティー―ウルトラマルチへのアプローチ

松崎 駿二

pp.133-136

基本的な考え方

 現在,臨床検査分野では,新規項目の開発やデータ信頼性の追求などの純粋な診断法の改善開発の一方で,省力化と迅速化を目的とするオートメーション・ラボの進展が著しい.

 特に,ここ20年の自動分析装置の進歩は著しく日立7450などのビッグマシンを生み出したが,一方で検体のハンドリングや搬送などの面での進歩は,つい3~4年前までは高知医大にはじまる一部先進的ユーザで試みられていたのみで遅々とした進展であった."検体搬送システム"の名称で急激に市場でブームの様相を呈し始めてきたのはここ2年である.しかし,これらの検体搬送システムの中には,自社分析装置の囲い込み戦略臭の強いものや,分析装置や上位コンピュータを含めた全体運用について吟味されたシステム構築思想に欠けるものなど,明らかな問題点が見受けられる.

Ⅳ.検体搬送システム 2. 導入のフィロソフィ

1)(株)エスアールエル

尾形 哲郎 , 西野 進

pp.137-140

はじめに

 臨床検査においてロボティクスを広義にとらえた場合,一般的に自動化,システム化と称し,検査室の即時体制作り,運営面の合理化,さらには精度管理の強化など,さまざまな側面をもって推進されてきた.それにより,検査分析技術の高度化および検査機器の発達などをもたらし,臨床検査への信頼性はますます高まった.

 これらの背景のもと,検査室合理化の一環として,特殊検査を中心に検査センターへの外注化が進められ,その受け皿として,民間検査センターによるラボの拡大が進み,大規模受託検査センターが現れ,今日に至っている.当社は高度化する臨床検査における特殊分野の専門検査センターとして1970年(昭和45年)に設立され,現在約3,000施設の全国医療機関から毎日平均7万検体,13万5千テストの検体検査を受託している.受託項目は約2,200に及び検体数,項目数とも増加傾向にある.

2)(株)ビー・エム・エル

是安 俊之 , 丸山 昭治

pp.141-144

はじめに

 大規模検査センターでは,膨大な数の多種多様な検体を限られた時間内に処理しなければならず,搬送システムの導入は想像以上に困難な要素を多く含んでいる.特にわれわれの施設(ビー・エム・エル)のように一般検査から特殊検査まで幅広い検査スペクトラムを持つセンターでは,一般検査に要求される迅速性と特殊検査に要求される多様性を同時に満足することが必須要件であるため,システムの導入はきわめて困難であった.ここに紹介するビー・エム・エルの自動検体受付分配システム(通称フロンティアシステム)は独自の設計思想で上記諸問題を解決しえた,大規模検査センターでの実運用に耐える搬送システムである(1991年11月より稼動,図1).

3)鹿児島市医師会臨床検査センター

小園 時夫

pp.145-151

はじめに

 近年の臨床検査技術の進歩,自動化,システム化の飛躍的発展は,臨床の場に有効な検査データを提供するうえに大きな役割を果たしてきた.しかし社会情勢の変化,なかんずく医療情勢においては急速な老齢化,慢性疾患の増加,さらに予防,検診などさまざまな変貌がみられる今日,臨床検査に対するニーズも多様化し検査体制も時代とともに新たな発想が求められている.検体搬送システムは,すでに佐々木1,2)によって考案,実用化され広く知られるところであるが,昨今の医療環境の変化とあいまって,その関心は一段と高まってきた.この時機に当検査センターにおいても,日立製作所の検体搬送システム(日立般送システム)3)と東亜医用電子のHS410システム4)を導入し,2年にわたって日常検査に応用してきたのでシステム構築の経過と評価について概説する.

4)(財)神奈川県予防医学協会

山崎 雅夫 , 五十嵐 すみ子

pp.152-156

はじめに

 近年,国公立の大病院や大規模な検査センターにおいて,臨床検査の自動化が急速に進められ,ロボットを組み入れたシステムの導入も数多くみられるようになってきた.それらは大幅な省力化,迅速化,検査精度の向上に大きく貢献するとともに,エイズや肝炎ウイルスなどの感染から検査技師を守るという重要な役割も演じている.

Ⅳ.検体搬送システム 3. 各施設からのレポート

1)高知医科大学附属病院―検査部ベルトラインシステム

小倉 克巳 , 片岡 浩巳 , 佐々木 匡秀

pp.157-162

はじめに

 当高知医科大学検査部では,1981年の開院以来,ベルトラインシステムの自主開発に傾注し,第一~三工期に約4年間の歳月を費して1985年に完成させた1~6)

 第一期工事は1981年4月に始まり,検体仕分けセクションから各自動分析装置の設置場所まで,検体を自動的に運ぶためのベルトコンベヤを張り巡らせた.しかし,ベルトコンベヤを床面高80cmに設定したために,検査室内で働く技師の動きに制約を加えることとなった.そこで,床面高2.4mの高架線への変更作業と延長工事の第二,三期を経て,高架式ベルトコンベヤシステムを完成させた.

2)島根医科大学附属病院

野津 吉友 , 遠藤 治郎

pp.163-166

はじめに

 島根医科大学中央検査部では,1988年から自動分析装置に検体自動前処理装置を組み込んだ分注・測定装置接続併用形式システムの開発,運用を行ってきた.このシステムを導入している検査部門は,生化学・免疫化学的検査部門と,血液学的検査部門である.検体自動前処理システムを運用するうえで掲げた目標は,採血管本数を減少させて患者の不快感を軽減すること,検体前処理工程の時間短縮を図ること,より安全な検査環境を確保すること,である.目標を達成するために,検体前処理作業は遠心分離を除く次の工程が自動化された.①検体自動移動,②検体有無の認識,③採血管(親検体)のバーコード読み取り,④分注試験管(子検体)に親検体と同一のバーコードの作製,貼付,⑤抜栓,⑥血清量過不足の判定,⑦親検体から子検体への血清分注,⑧子検体から孫検体への小分け分注(機器分注),⑨汎用および専用分析装置への親検体輸送である.ここでは生化学搬送・自動分析システムを紹介する.

3)熊本大学医学部附属病院

岡部 紘明 , 宇治 義則 , 洲崎 英兒 , 岡嵜 公士郎

pp.167-170

はじめに

 熊本大学医学部附属病院中央検査部では分散(LAN: local area network)方式によるコンピュータネットワークシステムを1988年から導入し業務の管理,運営を行っている1).また,1992年には24時間検査体制確立に伴い,検体分配ロボットシステムを導入し,1名の技師で血球計算,生化学,尿自動分析装置の3種の異なる機器を操作できるような体制を考案した.

 本稿では当検査部のコンピュータネットワークシステム,検体分配ロボットシステムについて紹介する.

4)佐賀医科大学附属病院

只野 壽太郎

pp.171-174

はじめに

 佐賀医科大学附属病院検査部は1981年開院以来,「検体処理の検査部から情報処理の検査部」への変身を目指し,「病院総合医療情報システム」に結合する「検体自動処理システム」と「検査情報一元管理システム」の開発を進めてきた.

 このシステムは基本的にはLundbergが提唱したbrain to brain loopの思想を具現化したものである.このループは医師が患者を前にして,患者の問題点に関する質問から始め,検査オーダ→検体採取→確認→搬送→前処理→分析→報告と進み,結果が報告され,医師の頭脳で結果が解釈され,それに基づく処置で完結するループ(図1)である.

5)聖路加国際病院

村井 哲夫

pp.175-178

はじめに

 聖路加国際病院では1992年5月新病院の開院と同時にトータル・オーダリングシステムによる診療業務を稼動させた.検査部システムも新たに構築し同時に運用を開始した.

 病院情報システムは,図1に示すように診療系システム(IBM, UNIX)を中心として,検査部サブシステム(富士通,LAMDA),医事課(富士通,HOPE-X)のシステムから構成されており,コミュニケーション・コントロール・マネジャーを介してLAN (光ファイバー,ネットワーク)により連結されている.

6)山口大学医学部附属病院

大庭 雄三

pp.179-181

はじめに

 山口大学検査部は1991年度予算で古典的な化学検査および末梢血球検査の主力装置を一挙に更新した.従来の装置は故障しても修理部品の調達ができず,化学も血液も全体のシステムも極限状態に陥っていた.当初更新予算の中にコンピュータも含めていたため,これが検査装置の要求額を圧迫し縮小更新となった(表1,2).搬送システムについては,まず企業側からの提案を求め,複数の企業連合が参加できるように,概略のみのごく簡単な仕様書を作成し,競争入札によって決定した.全面的稼動開始は1993年8月からであった.

 最近,山口大学検査部では血液,化学,血清といった専門分野の壁を取り払い,検体を受け付けたら直ちに測定・報告する部門(迅速検査),適当にまとめて測定する部門,および多方面の情報を考慮し,問題解決を意識しながら検査する部門の3段階で検査を行っている.現在末梢血球検査(CBC),血液凝固・線溶7項目,血液化学32項目および脳脊髄液検査を迅速検査部門で扱っている(表3).装置更新に際して,これらの検査を可能な限りワークシートレス・オンライン測定によって処理することを目標にした.

7)大阪市立大学医学部附属病院

巽 典之 , 朴 勤植 , 清水 正文 , 東畠 正満

pp.182-187

はじめに

 情報化社会の現在,基幹病院はそれ自体が情報システムを有し,地域ないし関連社会のネットワークのなかで情報のキーステーションとしての役割を担うことになる.この目的のために,最近はベッド数が500を超える大規模病院においてトータル的情報管理システムが急速に普及しはじめている.この趨勢のもとに,1993年5月には私どもの病院においても新病院の完成とともに本システムの完成をみたので,その一端を紹介することにする.

8)名古屋大学医学部附属病院―病院総合情報システムとリンクした血液検査検体搬送システム

浅井 正樹 , 梶浦 容子

pp.188-191

はじめに

 名古屋大学医学部附属病院は21の診療科を有し,外来患者数は平均1,900人/日,ベッド数は921床の総合病院である.検査件数は400万件/年,血液検査件数は72万件/年であり,日常検体の26%は外来診察前検査を含む緊急扱いである.

 1991年2月に導入された総合血液学検査システム(Hematology System; HS東亞医用電子,以下"搬送システム"という)は,血液検査業務の約90%を占める一連の血球計数,血液像と網状赤血球数の測定が完全自動化され,さらに,検体を搬送するベルトコンベヤが多くの機能を持ち,分析装置間でデータが有効に活用できる1)

9)秋田大学医学部附属病院

榊 尚男 , 小原 俊陰 , 藤田 美好 , 小山田 一 , 上杉 四郎

pp.192-202

はじめに

 医学の進歩発展とともに臨床検査医学も著しい発展を遂げ,臨床検査は診断に欠かすことのできない重要な役割を担っている.一方,年々増大する検査件数に対応すべく,省力化への努力が払われるとともに,精度の向上,迅速化へ向け自動機器の導入,コンピュータによるシステム化へと急速な変貌がみられる.

 秋田大学病院中央検査部の自動化への歩みは,表1に要約されるように1970年テクニコン社のAA-12/60の導入(臨床化学検査)に始まり,Coulter CounterModel S (血液検査),SMA12/60(臨床化学検査)……と半自動機器の導入期を第一世代移行期とし,病院医事システムとオンラインできる検査システムの導入時期が第二世代であり,1988年以降バーコードラベルの導入,全自動機器,前処理・搬送システム導入による主要なルチン検査の無人化の実現などの現状までを第三世代とし近代化が進められてきた.

Ⅴ.周辺機器

1.なぜ周辺機器なのか

佐々木 匡秀

pp.204-205

はじめに

 周辺機器とは,コンピュータ,ロボットや搬送システムなどで本体機器の側にあって,その機能や能率をサポートするために考案された,不特定多数の機器類である.

 具体的にいえば,パソコンシステムにあっては,パソコン本体に付属するプリンタ,磁気ディスクやマウスのような機器類である.ロボット分析機でも同様である.一般にロボットは,その先端に付けられたハンドリング機構が,ロボットの周囲に取り付けられたいわゆる"周辺機器"の助けを借りて,さまざまな作業をしている.検体搬送システムも多くの周辺機器でサポートされている.

Ⅴ.周辺機器 2.バーコード発行機

バーコードラベルと運用

衣川 武

pp.206-210

はじめに

 近年のバーコードの使われ方は多岐にわたり,日常生活でも身近な存在になっている.例えばスーパーマーケットなどで買い物をする際,すべての商品にバーコードが貼られ,それを読むことにより会計が迅速に処理されている.

 医療分野においても,薬品在庫管理,輸血在庫管理,検査検査などにバーコードが利用されてきている.検査部門では検体検査に利用され,検体の取り違いミスがなくなり応用効果が如実に現れてきている.

メーカの立場から

吉田 誠

pp.211-214

はじめに

 バーコードは高い認識率,簡便性を持ち,低コストであるという特徴が,医療分野においても各種業務処理の自動化や迅速化を進めるうえで注目されている.一般的に人手による転記には数百回に1回はミスがあるといわれているが,バーコードの採用により,このミスを大幅に減らすことができる.

 本稿では,バーコードの概要,バーコード発行機の概要,熱転写式ラベル・プリンタ,病院におけるバーコードの応用について紹介する.

Ⅴ.周辺機器 3.採血管準備装置

BC・ROBO-510/520/530

株式会社テクノメディカ

pp.215

使用目的:①外来患者の採血管準備

     ②入院患者の病棟採血のための採血管準備

Ⅴ.周辺機器 4.検体搬送装置

島津検体分配ロボシステム"クリニロボ"

島津製作所

pp.216

接続経験のある自動分析

自動生化学分析装置 島津CL-7200/7300

コールター自動検体搬送システム

株式会社日科機

pp.217

 コールターの自動検体搬送システムは、自動ラベリング・ユニットを始め血球計数/白血球分類装置、その他の分析装置の組合わせが可能なフレキシビリティーに富んだシステムです。検体室の広さや検査フローに合わせて搬送レーンをレイアウトできます。シングル検体搬送方式のため、より機能的なワークフローを構築できます。

CLAA(臨床検査室自動化設計構築概念)準拠・自動化システム

株式会社エイアンドティー

pp.218

 CLAAとは、Clinical Laboratory Automation Architecture (臨床検査室自動化設計構築概念)の頭文字をとったものであり、ユーザー指向の検体搬送システム標準化を実現するものです。

 CLAA規格は『分析装置』+『上位コンピューター』+『搬送システム』の"統合的"な開発と、接続するメーカーに一切の制限のない"オープン"な検査室自動化システムの開発を目標とした設計思想です。

Ⅴ.周辺機器 5.自動遠心器

Model 4900

久保田商事株式会社

pp.219

遠心項目:血清分離

 特徴:採血管をセットするだけで、臨床検査の前処理の遠心分離を自動化、省力化できる自動遠心機です。

Ⅴ.周辺機器 6.分注機

SGR300

三光純薬株式会社

pp.220

測定項目:マイクロプレート用の分注希釈機で血清検査等使用可

SGR400

三光純薬株式会社

pp.221

測定項目:マイクロプレート用の分注希釈機で血清検査等に使用可

Ⅴ.周辺機器 7.栓抜機

テルモ「ベノジェクト®Ⅱオートオープナー」型式VP-901

テルモ株式会社

pp.222

 特徴:テルモ「ベノジェクトⅡオートオープナー」型式VP-901はべノジェクトⅡ

   真空採血管の、フィルムシール栓専用自動開栓装置です。

Ⅵ.注目される自動分析装置 1.蛋白分画・アイソザイム測定

エパライザ―アイソザイムもフルオート

株式会社ヘレナ研究所

pp.224

測定項目:蛋白、LDH、ALP

特徴:●血清蛋白分画・アイソザイム分画測定可能。

AES®620

オリンパス光学工業株式会社

pp.225

測定項目:血清蛋白分画(A1b,α1-G.α2-G.β-G.γ-G,A/G)

Ⅵ.注目される自動分析装置 2.免疫検査

エルジア・F300

国際試薬株式会社

pp.226

測定項目:AFP、CEA、HBs抗体、HBs抗原、HBc抗体、HCV抗体、フェリチン、インスリン

バイダス

日本ビオメリュー・バイテック株式会社

pp.227

 特徴:測定に必要なすべての試薬をプレパックした試薬ストリップと特異抗原/抗体を固相化したピペットチップ型のスパーを組み合わせた専用試薬キットを使用して測定する自動蛍光免疫測定装置です。

 測定原理は蛍光基質を使用した酵素免疫測定法(ELFA: Enzyme Linked Fluoresoent Assay)に基づき、各種分析方法を使い分けることで低分子から高分子の多岐にわたる測定項目を1台で検査することができます。

COBAS CORE

日本ロシュ株式会社 試薬本部

pp.228

測定可能項目:腫瘍マーカー…CEA、AFP、CA19-9、CA125、フェリチン、β2-m、              PSA、NSE

ルミパルス1200

富士レビオ株式会社

pp.229

測定項目:CAI9-9、CA125、CEA、AFP、TSH、IgE

ルミスポットAL-1000

栄研化学株式会社

pp.230

測定項目:●感染症マーカー領域

      HBs-Ag HBs-Ab HBc-Ab Hbe-Ag HIV-Ab TP-Abなど

EL-1200

協和メデックス株式会社

pp.231

測定項目(ラテックス試薬)エクステル

IgG,IgA,IgM,CRP,C3,C4,ASO,RF,AFP,CEA,β2-MG,フェリチン,フィブリノーゲン,プラスミノーゲン,AtⅢ,FDP,IgE,HBs-Ag,HBs-Ab,TP抗体

Ⅵ.注目される自動分析装置 3.細菌検査

マイクロスキャンWalk Awayタイプ40/タイプ96

バクスター株式会社

pp.232

測定項目:グラム陰性菌、グラム陽性菌の細菌同定及び感受性検査

VITEK SYSTEM

株式会社アムコ

pp.233

VITEK システム

VITEKシステムはNASA (米航空宇宙局)のスペースマイクロバイオロジー研究の一環として開発されて以来、たえず今日的工夫と先端技術を取入れ、最新の機能を追求した自動細菌検査装置です。

VITEKシステムは独自のテストカードに微生物検査のノウハウが全て凝集されています。微生物が至適条件下で起こす化学、生物学的反応を比濁及び比色分析し、コンピュータによる数値解析を利用する事で同定及び感受性検査を迅速に測定処理します。

Ⅵ.注目される自動分析装置 4.血液検査

HSシリーズ HS-300

東亞医用電子株式会社

pp.234

測定項目:NE-8000:WBC、NEUT%、LYMPH%、MONO%、EO%、          BASO%、NEUT#、LYMPH#、MONO#、          EO#、BASO#          RBC、HGB、HCT、MCV、MCH、MCHC、          RDW-SD、RDW-CV、PLT、PDW、MPV、          P-LCR

基本情報

臨床検査

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1367

印刷版ISSN 0485-1420

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64巻12号(2020年12月発行)

今月の特集1 血栓止血学のトピックス—求められる検査の原点と進化
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64巻11号(2020年11月発行)

今月の特集1 基準範囲と臨床判断値を考える
今月の特集2 パニック値報告 私はこう考える

64巻10号(2020年10月発行)

増刊号 がんゲノム医療用語事典

64巻9号(2020年9月発行)

今月の特集1 やっぱり大事なCRP
今月の特集2 どうする?精度管理

64巻8号(2020年8月発行)

今月の特集1 AI医療の現状と課題
今月の特集2 IgG4関連疾患の理解と検査からのアプローチ

64巻7号(2020年7月発行)

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今月の特集2 薬剤耐性カンジダを考える

64巻6号(2020年6月発行)

今月の特集 超音波検査報告書の書き方—良い例,悪い例

64巻5号(2020年5月発行)

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今月の特集2 EBLM(evidence based laboratory medicine)の新展開

64巻4号(2020年4月発行)

増刊号 これで万全!緊急を要するエコー所見

64巻3号(2020年3月発行)

今月の特集1 Clostridioides difficile感染症—近年の話題
今月の特集2 質量分析を利用した臨床検査

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今月の特集2 標準採血法アップデート

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今月の特集2 生理検査—この所見を見逃すな!

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63巻10号(2019年10月発行)

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今月の特集2 グローバル化時代の耐性菌感染症

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今月の特集2 腹部超音波を極める

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59巻10号(2015年10月発行)

今月の特集1 見逃してはならない寄生虫疾患
今月の特集2 MDS/MPNを知ろう

59巻9号(2015年9月発行)

今月の特集1 乳腺の臨床を支える超音波検査
今月の特集2 臨地実習で学生に何を与えることができるか

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今月の特集2 感染症サーベイランスの実際

59巻7号(2015年7月発行)

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今月の特集2 血液細胞形態判読の極意

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今月の特集2 健診・人間ドックと臨床検査

59巻5号(2015年5月発行)

今月の特集1 1滴で捉える病態
今月の特集2 乳癌病理診断の進歩

59巻4号(2015年4月発行)

今月の特集1 奥の深い高尿酸血症
今月の特集2 感染制御と連携—検査部門はどのようにかかわっていくべきか

59巻3号(2015年3月発行)

今月の特集1 検査システムの更新に備える
今月の特集2 夜勤で必要な輸血の知識

59巻2号(2015年2月発行)

今月の特集1 動脈硬化症の最先端
今月の特集2 血算値判読の極意

59巻1号(2015年1月発行)

今月の特集1 採血から分析前までのエッセンス
今月の特集2 新型インフルエンザへの対応—医療機関の新たな備え

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今月の特集1 検査でわかる!M蛋白血症と多発性骨髄腫
今月の特集2 とても怖い心臓病ACSの診断と治療

58巻12号(2014年11月発行)

今月の特集1 甲状腺疾患診断NOW
今月の特集2 ブラックボックス化からの脱却—臨床検査の可視化

58巻11号(2014年10月発行)

増刊号 微生物検査 イエローページ

58巻10号(2014年10月発行)

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今月の特集2 尿沈渣検査の新たな付加価値

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58巻8号(2014年8月発行)

今月の特集1 個別化医療を担う―コンパニオン診断
今月の特集2 血栓症時代の検査

58巻7号(2014年7月発行)

今月の特集1 電解質,酸塩基平衡検査を苦手にしない
今月の特集2 夏に知っておきたい細菌性胃腸炎

58巻6号(2014年6月発行)

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今月の特集1 最新の輸血検査
今月の特集2 改めて,精度管理を考える

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今月の特集1 検査室間連携が高める臨床検査の付加価値
今月の特集2 話題の感染症2014

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今月の特集2 知っておくべき睡眠呼吸障害のあれこれ

58巻2号(2014年2月発行)

今月の特集1 JSCC勧告法は磐石か?―課題と展望
今月の特集2 Ⅰ型アレルギーを究める

58巻1号(2014年1月発行)

今月の特集1 診療ガイドラインに活用される臨床検査
今月の特集2 深在性真菌症を学ぶ

57巻13号(2013年12月発行)

今月の特集1 病理組織・細胞診検査の精度管理
今月の特集2 目でみる悪性リンパ腫の骨髄病変

57巻12号(2013年11月発行)

今月の特集1 前立腺癌マーカー
今月の特集2 日常検査から見える病態―生化学検査②

57巻11号(2013年10月発行)

特集 はじめよう,検査説明

57巻10号(2013年10月発行)

今月の特集1 神経領域の生理機能検査の現状と新たな展開
今月の特集2 Clostridium difficile感染症

57巻9号(2013年9月発行)

今月の特集1 肺癌診断update
今月の特集2 日常検査から見える病態―生化学検査①

57巻8号(2013年8月発行)

今月の特集1 特定健診項目の標準化と今後の展開
今月の特集2 輸血関連副作用

57巻7号(2013年7月発行)

今月の特集1 遺伝子関連検査の標準化に向けて
今月の特集2 感染症と発癌

57巻6号(2013年6月発行)

今月の特集1 尿バイオマーカー
今月の特集2 連続モニタリング検査

57巻5号(2013年5月発行)

今月の特集1 実践EBLM―検査値を活かす
今月の特集2 ADAMTS13と臨床検査

57巻4号(2013年4月発行)

今月の特集1 次世代の微生物検査
今月の特集2 非アルコール性脂肪性肝疾患

57巻3号(2013年3月発行)

今月の特集1 分子病理診断の進歩
今月の特集2 血管炎症候群

57巻2号(2013年2月発行)

今月の主題1 血管超音波検査
今月の主題2 血液形態検査の標準化

57巻1号(2013年1月発行)

今月の主題1 臨床検査の展望
今月の主題2 ウイルス性胃腸炎

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