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文献詳細

雑誌文献

臨床検査37巻2号

1993年02月発行

文献概要

今月の主題 PCRを用いた病原微生物の検出 総説

臨床微生物学におけるPCRの役割

著者: 猪狩淳1

所属機関: 1順天堂大学医学部臨床病理学教室

ページ範囲:P.119 - P.122

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 これまで細菌感染症を疑う場合は分離培養を行って同定していたため,培養,同定に要する時間は少なくとも2~3日かかっていた.またウイルス感染症の場合は通常分離培養を行わず,抗体価の上昇を待って診断を行ってきたため感染初期の診断には役立たない場合が多かった.しかし,DNAプローブ法を感染症診断に応用するようになり,この問題は解決されたかにみえた.特異DNAを用い直接検出法が多く試みられたが,これらの直接法は意外に低い検出感度であるとの評価を得た.これに対し,高い感度を持った検出法としてpolymerase chain reaction(PCR)法が急速に臨床微生物学の分野にも取り入れられてきた.本稿ではPCR法の臨床微生物学への応用,役割について述べ,PCR法を施行するに当たり,その問題点を概説した.
 PCR法は特異性,迅速性,簡便性,検出感度に優れ,今後ますます応用が広まるものと思われる.〔臨床検査37(2):119-122,1993〕

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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