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文献詳細

雑誌文献

臨床検査37巻2号

1993年02月発行

文献概要

TOPICS

ヒト骨髄腫細胞の分化に伴う細胞表面抗原の発現

著者: 河野道生1

所属機関: 1広島大学医学部病院・原医研内科

ページ範囲:P.192 - P.193

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 骨髄腫はBリンパ球系の最終分化細胞と考えられている形質細胞の腫瘍性増殖疾患である.通常骨髄腫細胞は骨髄で増殖し,び漫性に全身の骨髄に浸潤する.骨髄腫細胞はモノクローナル免疫グロブリン(M蛋白)を産生して血清蛋白値が高値となることから,従来骨髄腫は異常蛋白血症として理解されていた.しかし,最近,骨髄腫細胞の増殖動態が明らかにされてくると,骨髄腫は蛋白異常の疾患から骨髄腫細胞の増殖疾患,つまり細胞を中心とした研究が主体になってきた.その中で,①骨髄腫細胞の増殖因子がインターロイキン6(IL-6)であること1)と,②骨髄腫細胞がその細胞表面の接着分子の発現の相違により,細胞亜群に分けられることが明らかになってきた2,3,4).この2点が注目されている.後者について詳述する.
 骨髄腫細胞の細胞表面抗原の検索において,従来の1カラー染色から抗CD38抗体を使用した2カラー染色により,CD38強陽性分画に骨髄腫細胞(形質細胞)のみを展開できることがわかったことは特筆に値する.図1に示すように,健常人の骨髄単核球を抗CD38抗体(FITC)と抗CD19抗体(PE)とで2カラー染色すると,成熟B細胞をCD38陰性分画に,Pre-B細胞をCD38弱陽性分画に,形質細胞をCD38強陽性分画に明瞭に展開できる.抗CD38抗体を使用した2カラー解析にて,骨髄腫細胞(CD38強陽性分画)における接着分子の発現が検討された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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