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文献詳細

雑誌文献

臨床検査38巻10号

1994年10月発行

文献概要

トピックス

ヒトチオレドキシンー成人T細胞白血病由来因子

著者: 笠原靖1

所属機関: 1富士レビオ(株)中央研究所

ページ範囲:P.1204 - P.1205

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1.はじめに
 チオレドキシン(thioredoxin;Tx)は,大腸菌から高等動物に至るまで広く保存されているSH基を有する酸化還元蛋白質で,ヒト型は1988年,B細胞株からWollmanら1)によりクローニングされた.一方,HTLV-I(human T lymphotropic virus type I)産生株からインターロイキン2レセプターα鎖(IL-2 Rα)の誘導物として単離されていた成人T細胞白血病由来因子(ADF;ATL-derived factor)がある.これが1989年にT細胞株(ATL-2)からクローニングされ,チオレドキシンと同一分子であることが判明した.
 Tx/ADFとは分子量約12,000のペプチドで,由来により20%前後配列に相違が認められるが,2つのシステイン間にグリシンとプロリンを挟んだ特徴的な共通配列(-Cys-Gly-Pro-Cys-)を有し,2つのシスチン残基が酸化還元作用に関与している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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