icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床検査38巻10号

1994年10月発行

文献概要

トピックス

川崎病の病因論―スーパー抗原性感染因子の可能性

著者: 内山竹彦1

所属機関: 1東京女子医科大学微生物学免疫学教室

ページ範囲:P.1206 - P.1207

文献購入ページに移動
1.はじめに
 川崎病は急性全身性症状を示す小児の感染症を疑わせる疾患であるが(表1),病原因子は特定されていない.病理組織学的には全身の中小動脈の炎症があり,冠動脈瘤などの冠動脈病変の有無が患児の予後を左右する.これらの異常反応にはT細胞の活性化が関与している可能性が高い1).その根拠として,急性期の血液検査所見には,①TNF-α,IL-2, IL-6, IFN-γなどのサイトカインの検出,②遊離IL-2レセプターの検出,③可溶性CD4やCD8分子の検出,④HLAクラスII分子T細胞の増加,などを挙げることができる.そのほかB細胞やマクロファージなどの活性化の所見もみられる.
 最近になって,川崎病の病原因子の候補とスーパー抗原性感染因子の関与が考えられるようになった.川崎病とスーパー抗原を結び付ける根拠はどのようなものだろうか.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?