文献詳細
文献概要
トピックス
infection associated hemophagocytic syndrome(IAHS)
著者: 和田靖之1
所属機関: 1東京慈恵会医科大学小児科
ページ範囲:P.1208 - P.1210
文献購入ページに移動 近年さまざまな疾患の経過中に,反応性の組織球増殖症の合併が知られている.また生来健康で,特に既往歴の点でも問題がみられないような患者が突然,発熱を伴い汎血球減少症を呈し,同様に臓器内で組織球の増殖とその細胞の貪食能の亢進がみられることがある.このように骨髄やリンパ節などの網内系の臓器を中心に,活発な組織球の貪食がみられることを特徴とし,さらに臨床的に汎血球減少症,発熱,出血傾向,肝障害などを呈する疾患を総称してhemophagocytic syndrome(HPS)としている.これらの組織球の機能亢進症の原因の1つに,ウイルス感染に伴って発症するvirus associated hemophagocytic syndrome(VAHS)が,1979年にRisdallら1)によって最初に報告されて以来,同様な病態が重症細菌感染症や結核,真菌症などでも発症することが相次いで報告され,これらの感染症により発症するものを近年infection associated hemophagocytic syndrome(IAHS)と総称する傾向になってきた.
これらのHPSは,一般にさまざまな症状を呈するとされている.当科で経験したさまざまな基礎疾患を有するHPS 14例(表1)について臨床症状を検討すると,最も多い症状は発熱でほぼ全例にみられており,その他は肝脾腫,リンパ節腫脹,発疹などの順であった.
これらのHPSは,一般にさまざまな症状を呈するとされている.当科で経験したさまざまな基礎疾患を有するHPS 14例(表1)について臨床症状を検討すると,最も多い症状は発熱でほぼ全例にみられており,その他は肝脾腫,リンパ節腫脹,発疹などの順であった.
掲載誌情報