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文献詳細

雑誌文献

臨床検査38巻10号

1994年10月発行

文献概要

資料

当院で経験した糞線虫症の一症例と,検出糞線虫に対する各種消毒薬の殺虫効果

著者: 甲田雅一1 佐藤喜春1 西村秀司2 松崎廣子1

所属機関: 1東京警察病院中央検査第一部 2東京警察病院内科

ページ範囲:P.1215 - P.1218

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 筆者らは,50年間にわたり自家感染を繰り返していたと思われた糞線虫症の1例を経験した.患者は長年下痢で他院を受診していたが,糞線虫は見逃されていたようであった.糞線虫は東京ではまれな寄生虫であるが,検査者はこのようなまれな感染症をも念頭に置き,常に注意深い検査を心がけるべきである.
 糞線虫は,フィラリア型幼虫になると経皮感染するため,患者糞便取り扱い後には厳重な消毒を行う必要がある.そこで,検出糞線虫に対する各種消毒薬の殺虫効果について検討を行った.筆者らの,本症例からの検出糞線虫を用いた実験からは,糞線虫症患者の糞便取り扱い後の手指の消毒にはポビドンヨードが最も適すると思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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