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文献詳細

雑誌文献

臨床検査38巻10号

1994年10月発行

文献概要

編集者への手紙

"周術期の検査"を読んで

著者: 内田和秀1 大川修2 佐藤尚1 青木正1

所属機関: 1聖マリアンナ医科大学麻酔学教室 2聖マリアンナ医科大学病院中央手術部検査室

ページ範囲:P.1224 - P.1225

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 本誌(38巻3号)今月の主題掲載の"周術期の検査"を大変典味深く拝読させていただきました.特に術中検査においては,迅速細胞診,迅速組織診,術中エコー,生体肝移植の術中術後検査の項目が設けられ,系統立てられた構成が注日を引きました.しかしながら,上記検査に比較して頻繁に行われる一般的な検査項目が省略されていたのは残念な限りです.そこで本稿では,当院で術中に日常施行している検査項目を紹介するとともに,サテライト検査の意義を簡単に述べたいと思います.
 手術部検査室には専任の臨床検査技師を1名配属し,術中検査・検査機器の保守および精度管理などの日常業務ならびに臨床研究に伴う検体の前処理・分析の外注・中央検査室への依頼などの臨時業務を遂行している.検査項目と使用機器を表1に示す.血液ガスは酸塩基平衡を含む術中呼吸管理に,また電解質は輸液管理に大きな助力となることは言うまでもない.グルコースは糖尿病合併症例の増加に伴い術中血糖コントロールに欠かせず,血算は輸血療法の適正化1)に貢献している.人工心肺運転時は誤差が少ないことからHctをミクロヘマトクリット法で求め,溶血をも確認している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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