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文献詳細

雑誌文献

臨床検査38巻5号

1994年05月発行

文献概要

今月の主題 常在菌 常在菌の同定とその感染

Propionibacterium acnes

著者: 西嶋攝子1 黒川一郎2

所属機関: 1関西医科大学附属香里病院皮膚科 2兵庫県立塚口病院皮膚科

ページ範囲:P.581 - P.584

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 Propionibacterium acnesは皮膚と毛?に生息する代表的な皮膚の常在菌である.通性嫌気性であって,グラム陽性の桿菌であり,正確な同定にはガスクロマトグラフィによる産生脂肪酸の分析を行い,嫌気伏態でプロピオン酸を産生していることを確かめなければならない.一般臨床的にはAPI-systemによる簡易法が用いられる.P.acnesが関与する疾患としては,尋常性?瘡(ニキビ)があるが,この皮膚疾患は感染症ではない.思春期における性ホルモンの影響によって皮脂の分泌が増加し,その結果毛?内常在菌で好脂性のP.acnesが増殖する.P.acnesの持つ細菌性リパーゼは皮脂を遊離脂肪酸と中性脂肪に分解するが,この遊離脂肪酸がニキビ発症に大きく関与している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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