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文献詳細

雑誌文献

臨床検査38巻5号

1994年05月発行

文献概要

目でみる症例―検査結果から病態診断へ・17

マントルゾーンリンパ腫で見られる染色体異常t (11;14)(q13;q32)

著者: 園山政行1 河合忠2

所属機関: 1自治医科大学附属病院臨床病理部 2自治医科大学臨床病理学教室

ページ範囲:P.597 - P.600

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●検査結果の判定●
 図1は,症例の末梢血に抗原刺激の代わりにB細胞を直接活性化するリポ多糖体(lipopolysac-charide; LPS)を添加し,数日培養後に得られた代表的な異常核型である.核型は,46, X,-Y, del (6)(q16q22),-8,+i (9)(q10),t (11;14)(q13;q32),add (15)(p11),add (18)(p11),+mar1で,分析した38細胞中9細胞にみられた.その他,46, XY[21]/46, X,-Y,-8,+i (9)(q10),t (11;14)(q13;q32),add (15)(p11),add (18)(p11),+mar1[7]/46,X,-Y,-8,+i (9)(q10),t (11;14)(q13;q32),add (15)(p11),add (18)(p11),+mar2[1]の核型も見られた.
 以上の結果から染色体分析において,腫瘍性増殖が証明できたとともに,マントルゾーンリンパ腫で特徴的とされる,t (11;14)(q13;q32)が検出された.前記異常核型の中で,腫瘍の発生に最も重要な意味を持つのはt (11;14)転座で,他は二次的に獲得したものと思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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