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文献詳細

雑誌文献

臨床検査39巻11号

1995年10月発行

文献概要

特集 免疫組織・細胞化学検査 基礎と技術 7.抗原性の賦活法

2)熱処理

著者: 宇都宮洋才1 中村圭吾2 河野伊智郎3

所属機関: 1米国Vanderbilt大学抗血圧センター生化学教室 2和歌山県立医科大学第2病理学教室 3井病院

ページ範囲:P.50 - P.51

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はじめに
 免疫組織化学とは,目的とする抗原の組織細胞内における正確な局在を証明することである.そのため,組織細胞の基本構造がよく保存されていることが前提となる.そのためには,組織や細胞の基本構築を構成している蛋白質,脂質,糖質を水分や有機溶媒に溶け出さないようにし,組織や細胞の変性を極力食い止める必要があり,これを"固定"と呼ぶ.
 このように,生体内における状態にできるだけ近い状態を保持し,その局在位置に抗原を正しく固定しなければならない.免疫組織化学における固定はこの相反する条件を満たさなければならないが,蛋白質を不溶化し,抗原を固着化する目的で使われる固定剤はかなり多くの抗原の抗原性を失活させる.形態の保持を高めるために固定を強くすると,その結果,抗原性が弱くて観察できない抗原物質がある.その例として,パラフィン切片では免疫染色の不可能な抗原がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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