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文献詳細

雑誌文献

臨床検査39巻11号

1995年10月発行

文献概要

ミニ情報

細胞診免疫組織化学への工夫

著者: 谷口恵美子1 西村千枝子1 中村圭吾1 山岸美雪1 覚道健一1

所属機関: 1和歌山県立医大第二病理学教室

ページ範囲:P.78 - P.78

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 細胞診において液状検体を用い免疫組織化学検査を必要とすることがある.しかし,沈渣成分を使って標本を作製する場合は,パパニコロウ染色用,PAS染色用,ギムザ染色用の3種類を作製し,残りの検体はそのときにはすでに処分されていることが多い.また,スメアの未染を何枚かを予備として作製していても,目的とする細胞がガラス標本に必ずあるわけではなくまた,少数しかないこともある.このようなときは広い面積を免疫染色することは抗体の量を多く必要とするだけでなく乾燥などのアーチファクトが起こりやすいなど材料として望ましいものではない.これらのことを解決するため,われわれの施設では沈渣成分からコロデイオン膜を使ってパラフィンブロックを作製し,この切片を用い免疫染色をはじめ,良好な結果を得ているので紹介したい.この方法は長所として,セルブロック法と同様,①何枚でも検体を作製できる,②細胞密度が高い,③固定した検体を用い変性が少ない,④保存が簡単,⑤微量の検体に適している,⑥セルブロック法と違い,自動脱水包埋が可能で簡便である点が優れている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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