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文献詳細

雑誌文献

臨床検査39巻11号

1995年10月発行

文献概要

特集 免疫組織・細胞化学検査 抗原の種類による応用例

6.細胞外マトリックス

著者: 川島篤弘1 中西功夫1

所属機関: 1金沢大学医学部第1病理学教室

ページ範囲:P.113 - P.116

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 細胞外または細胞間マトリックスは,細胞と細胞の問を埋めている高分子構造物を総称している.この構造物は化学構造の類似性から,①コラーゲン蛋白質,②プロテオグリカン(硫酸化されたグリコサミノグリカンを持つ蛋白質で従来の酸性コム多糖),③糖蛋白質(フィプロネクチン,テネイシン,ビトロネクチン,トロンボスポンジン,オステオポンチンなど),④エラスチン,ヒアルロン酸,などの4つに大別される.
 形態学的にみると,細胞外マトリックス(ECM)は線維構造をとる膠原線維や弾性線維,膜状構造の基底膜,ヒアルロン酸とプロテオグリカンの粒子―フィラメント構造,およびこれらの間や細胞周囲に介在分布する糖蛋白の無定形ないしフィラメント状構造である.ECMは全身に広く分布し,各々の臓器,組織に適した3次元的立体構築をとり形態を維持しているのみならず,細胞接着因子インテグリン(ECMに対する膜貫通性受容体で,α鎖とβ鎖より成る二量体)を介して,細胞―マトリックス応答を行い,細胞の接着,移動,増殖,細胞分化に深くかかわっている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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