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文献詳細

雑誌文献

臨床検査39巻11号

1995年10月発行

文献概要

特集 免疫組織・細胞化学検査 抗原の種類による応用例

8.細胞回転(細胞周期)

著者: 村上知之1 木村由香1 小賀厚徳1 辻龍雄2 佐々木功典3

所属機関: 1山口大学医学部病理学第二 2山口大学医学部歯科口腔外科 3岩手医科大学医学部第一病理

ページ範囲:P.122 - P.126

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細胞回転(細胞周期)
 細胞には増殖状態(増殖相)と非増殖状態(非増殖相)とがある.分化した神経細胞は永久に非増殖相にとどまる.末梢血リンパ球は通常非増殖相にあるが,抗原やPHA (phytohemagglutinin)の刺激で増殖相に移行する.また,粘膜,皮膚,骨髄のように常に増殖相の細胞(幹細胞)を含む組織もある.
 増殖相の細胞はデオキシリボ核酸(deoxyribonu-cleic acid; DNA)を2倍に複製し,分裂して2つの細胞にならなければならない(減数分裂などは例外).そこで増殖相を次のように4つに分けるのが一般的である.DNA合成期(S期),分裂期(M期),M期の終わりからS期が始まるまでのG1期,S期とM期との間のG2期である.増殖を続ける細胞はG1―S-G2―M-G1を繰り返す.非増殖相はG0期と呼ばれる.細胞周期(回転)とは,G1―S-G2―Mのサイクルのみならず,増殖相と非増殖相(G0期)との相変換,さらに死による細胞集団からの脱落を含む,細胞の生活環全体を言う(図1).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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