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特集 免疫組織・細胞化学検査 臓器別応用例 1.消化器系
2)消化管
著者: 中村眞一1 菅井有2 小野貞英1 新井冨生3
所属機関: 1岩手医科大学医学部中央臨床検査部臨床病理部門 2岩手医科大学医学部臨床検査医学講座 3浜松医科大学病理学第一講座
ページ範囲:P.137 - P.141
文献購入ページに移動ヒトの消化管は口腔から始まり,肛門管まで,ひと続きの管状構造を取る.しかしこの管状構造は,食道,胃,十二指腸,小腸,大腸(虫垂),直腸とそれぞれ固有の機能と構造を持った器官に分けられている.これらのひと続きの器官が有機的に働き,摂取した食物から栄養素や水分を消化・吸収し,糞便として排泄する役割を担っている.また消化管には豊富なリンパ装置が分布していて,免疫監視や生体防御を営む粘膜免疫機構を有している.
消化管には各器官に特有な病変が起こる.胃や大腸には腺癌が好発するのに対して,胃と大腸の問の小腸には上皮性腫瘍はまれである.潰瘍性大腸炎では炎症は大腸に限局し,小腸まで病変が及ぶことは滅多にない.
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