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文献詳細

雑誌文献

臨床検査39巻11号

1995年10月発行

文献概要

特集 免疫組織・細胞化学検査 臓器別応用例 4.内分泌系

5)カルチノイド

著者: 木村伯子1

所属機関: 1東北大学医学部病理学第二講座

ページ範囲:P.197 - P.200

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はじめに
 カルチノイドとは"がんもどき"癌類似腫瘍という意味である.すなわち,上皮細胞が腺癌のような形態をとっているが,細胞異型および生物学的態度は癌ほどは高度に悪性でない.最も特徴的なことは,カルチノイドは内分泌細胞のみから成る腫瘍であり,発生母組織が全身の上皮に散在性に存在する神経内分泌細胞であることである.したがって,カルチノイドは気管支,腸管はもとより,中耳,喉頭,腎,生殖器に至るまでありとあらゆる部位に生ずる.しかし幸いなことに神経内分泌細胞はアミンとペプチドホルモンを産生する細胞であるところから,それらに対する抗体を用いて免疫組織化学を行うことにより,診断は比較的容易にかつ確実になされ得る.本稿ではカルチノイド腫瘍の診断の仕方,腫瘍が産生する活性物質と臨床症状,良・悪性の判定などについて記述する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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