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文献詳細

雑誌文献

臨床検査39巻11号

1995年10月発行

文献概要

特集 免疫組織・細胞化学検査 臓器別応用例 5.造血器系

2)白血病

著者: 村上純子1 大島年照2

所属機関: 1日本大学医学部臨床病理学教室 2日本大学医学部第一内科学教室

ページ範囲:P.205 - P.209

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はじめに
 すべての血液細胞は,造血幹細胞(hemopoieticstem cell)が分化・増殖してできる.造血幹細胞には階層性(hierarchy)があり,未熟な幹細胞は1個の細胞から赤血球,白血球,血小板,リンパ球などのさまざまな成熟血液細胞を作り出す能力(多分化能)を持つと同時に,自己複製能力を持ち,多能性幹細胞(multipotent stem cell; MSC)とも称される(前項"5.造血器系 1)造血機構"を参照).
 白血病は造血器系の代表的な腫瘍で,造血器系のおおもとである多能性幹細胞以降の種々の分化レベルの細胞が,何らかの原因によって腫瘍化し,正常の制御機構を逸脱して増殖する疾患である.白血病の原因としては,成人T細胞白血病におけるレトロウイルス(HTLV-1)や,放射線の大量被曝,ある種の薬剤などが知られているが,ほとんどの症例は原因不明である.通常,白血病は腫瘍化した1個の細胞が単クローン性に増殖して起こる.そのため白血病細胞は,形態学的にも機能的にも,腫瘍化を生じた段階の正常造血細胞の特徴を多少なりとも残している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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