icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床検査39巻3号

1995年03月発行

文献概要

今月の主題 骨髄移植 話題

臍帯血幹細胞移植

著者: 中畑龍俊1

所属機関: 1東京大学医科学研究所癌病態学研究部

ページ範囲:P.333 - P.336

文献購入ページに移動
1.はじめに
 造血幹細胞は増殖,分化し,すべての血液細胞を産生するとともに自己複製能を持った細胞とされている.骨髄移植は造血幹細胞移植にほかならず,移植された造血幹細胞が骨髄に定着し一生の間,血球を供給し続けると考えられている.
 同種骨髄移植は難治性血液疾患,白血病,先天性代謝異常症など多くの疾患において,治癒を目指す治療法の1つとして確立してきた.しかし,同胞の少ないわが国にあっては,HLA適合同胞を得ることは比較的困難であり,1993年から開始された公的骨髄バンクからの非血縁者間骨髄移植に大きな期待が集まっている.すでに250例を超える非血縁者間骨髄移植が行われているが,ドナーへの負担の問題,適合ドナーを得るまでの時間的問題,登録数,重症GVHDの増加などさまざまな問題点も明らかとなってきた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?