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文献詳細

雑誌文献

臨床検査4巻11号

1960年11月発行

文献概要

技術解説

肉眼比色による血清総コレステロール簡便測定法

著者: 北村元仕1 有松芳子1

所属機関: 1日本専売公社東京病院検査科

ページ範囲:P.669 - P.673

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 1953年,Zlatkisら1)によつて塩化鉄反応法が血中コレステロール定量に導入されてから,従来最も困難な検査法の一つであつたコレステロール測定は,簡便に,かつ高い精度をもつて多くの臨床検査室で容易に実施せられるようになつた。Zlatkis法は血清を除蛋白せずに直接呈色させ最も簡便であるが,市販試薬の純度によつて屡屡正の誤差を伴ない,また他の多くの妨害も受け易いので,実際には除蛋白を併用する柴田・長谷川の改良法2)や,Zakらの抽出法3)が多く用いられている。また最近,Zak4)およびHenly5)は塩化第2鉄酢酸溶液による除蛋白法を案出し,この原理にもとつく方法6),7)は日常検査法としていくつかの長所を有し,優秀な血清コレステロール定量法として次第に広く認められるようになつた。
 一方,いわゆる老人病と関連して,臨床的に血清コレステロール値が重視せられ,この測定を第一線の診療所,医院においても迅速,簡便に実施したいという要望が次第に強まつてきている。大病院においても,日常検査の件数が増加するに従い,おおよその選別試験として簡便法を併用するという方向も試みられつつある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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