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新しい検査法
PPLOの分離培養—特にその手技について
著者: 佐々木正五1 名出頼男1
所属機関: 1慶応大学医学部細菌学教室
ページ範囲:P.179 - P.183
文献購入ページに移動 Pleuropneumonia-like organjsm (略称PPLO)とは牛に牛肺疫を起させるPleuropneumoniaorganismに似た微生物を云う意味で,その形態は極めて多形性で,その一部のものは濾過性でありながら細胞を含まぬ培地に生える事の出来る—この点がVirus Rickettsiaと根本的に違う点である—一群の微生物を総称する言葉である。その本態は未だ充分に解明されていないし,各種細菌が種々の条件の下に生ずる所謂L型菌との異同も常に問題となりながらまだ何れとも決定されていない。しかし今日の段階としては,L型を生ずる条件を取り去つた時に,もとの細菌に復帰するものをL型菌と呼び,復帰の認められないものと区別して考えればよい。即ち安定した形で累代されるものに限つてPPLOの名称を用いればよい。
人間からの分離例は,子宮腟部,頸管,尿道等泌尿生殖器からのものが最も多く,ついで唾液及び咽頭等からも例数は少いながら高い比率で分離されている。膿瘍,関節腔液,血液,眼球結膜等からPPLOが見出された例もある。
人間からの分離例は,子宮腟部,頸管,尿道等泌尿生殖器からのものが最も多く,ついで唾液及び咽頭等からも例数は少いながら高い比率で分離されている。膿瘍,関節腔液,血液,眼球結膜等からPPLOが見出された例もある。
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