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文献詳細

雑誌文献

臨床検査40巻11号

1996年10月発行

文献概要

ミニ情報

ヘマトクリットと止血・血栓

著者: 半田誠1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部輸血センター

ページ範囲:P.41 - P.41

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 以前から脱水などの急激な血液濃縮は心筋梗塞や脳梗塞などの急性血栓症の誘発原因ではないかと信じられていた.実際,真性多血症患者においては血栓症の合併率が高いことが知られ,術後の下肢深部静脈血栓症は瀉血によりヘマトクリット値(Ht)を下げることでその発生率が低下すること,さらに赤血球造血因子であるリコンビナントエリスロポイエチン(EPO)を使用した慢性透析患者において貧血の改善とともにシャント部位の狭窄などの血栓症の発症が増加する事実は,Ht増加が血栓症発症の原因となりうる可能性を示唆するものである1)
 一方,貧血患者における止血機能の低下が以前より指摘されていた.慢性透析患者では出血時間が延長し,血小板粘着能(血小板停滞率)が低下しているが,輪血やEPO投与でHtが改善されるとともにそれらの検査値も正常化の方向に向かう2)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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