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文献詳細

雑誌文献

臨床検査40巻11号

1996年10月発行

文献概要

特集 血栓症と血小板凝固線溶系検査 血栓症の病態 4.血栓傾向

1)先天性血栓傾向

著者: 高松純樹1

所属機関: 1名古屋大学医学部附属病院輸血部

ページ範囲:P.42 - P.44

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はじめに
 先天的に比較的若年の術後患者,妊婦などにおいて反復性・家族性に深部静脈血栓症が高頻度に認められることが報告されており,注目されている.これらのうち凝固系の阻止因子・線溶系因子の先天的欠乏もしくは分子異常のため機能障害をきたし,その結果,主として深部静脈血栓症を呈する疾患群を先天性血栓傾向と称する.表1には現在までに報告されている血栓症の原因となる諸因子の先天性異常を示すが,ホモシスチン血症は厳密には凝固因子の異常ではないが最近の研究で1つの仮説として血管内皮細胞に発現されているトロンボモジュリンの機能障害を惹起することにより,プロテインCを介した抗凝固作用を阻害し,その結果,血栓症が誘発されることが明らかになった.APCレジスタンスについては別項を参照されたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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