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文献詳細

雑誌文献

臨床検査40巻11号

1996年10月発行

文献概要

特集 血栓症と血小板凝固線溶系検査 血栓症の病態 4.血栓傾向

4)薬剤性血栓傾向

著者: 新倉春男1

所属機関: 1昭和大学医学部藤が丘病院内科血液

ページ範囲:P.51 - P.54

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はじめに
 止血機構に影響を及ぼして出血傾向あるいは血栓・塞栓症を起こす薬物は少なくないが,出血傾向に比べて,血栓傾向をもたらす機序を明確にすることは,血小板,凝固線溶系,血管内皮,血行動態などが複雑に絡むため,必ずしも容易ではない.
 副作用として血栓・塞栓症が報告されている薬剤を表1に示した.これらの薬物が直接止血機構に働いて血栓傾向をもたらすとは限らず,血管内皮の障害,血行動態の変化などに関連して血栓傾向がもたらされる場合も多い.また,患者の年齢,性,嗜好品,基礎疾患の種類と重症度,併用されている薬剤などにも影響される.ここでは血栓・塞栓症の原因として比較的よく知られている薬物につき,その発生機序を解説する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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