icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床検査40巻11号

1996年10月発行

文献概要

特集 血栓症と血小板凝固線溶系検査 血栓症の検査 1.血小板の検査

2)血小板凝集能

著者: 松野一彦1

所属機関: 1北海道大学医療技術短期大学部

ページ範囲:P.69 - P.72

文献購入ページに移動
測定の意義
 血小板は刺激を受けると,種々の生化学的反応を介して,血小板膜に存在する糖蛋白GPIIbとGPIIIaが複合体を形成し,そこにフィブリノゲンが結合することによって,血小板間に架橋が形成される形で,血小板凝集が起こる.これは血小板凝集塊を形成することによって,出血の際の一次止血に重要な役割を果たす.
 したがって,先天的に血小板機能異常のある血小板無力症やBernard-Soulier症候群などの診断には血小板凝集能の測定は必須である.また,血栓症,特に動脈血栓症の発症に血小板が関与していると考えられており,現在脳梗塞の再発予防などの治療に抗血小板剤が用いられている.したがって,生体内の血小板活性化の把握や抗血小板剤治療の選択およびモニターにも血小板凝集能測定が用いられている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?