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文献詳細

雑誌文献

臨床検査40巻11号

1996年10月発行

文献概要

ミニ情報

遺伝子組換え第IX因子

著者: 高松純樹1

所属機関: 1名古屋大学医学部附属病院輸血部

ページ範囲:P.112 - P.112

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 血友病B治療には現在までヒト血液由来の製剤を用いた治療がなされてきている.近年では従来のプロトロンビン複合体から,高度に純化精製された第Ⅸ因子製剤が使用されるようになってきており,大量投与による血栓症の副作用は減少しているものの,ヒト由来のウイルス感染症を完全に否定することはできない.
 そこで遺伝子組換えによる第Ⅸ因子製剤の開発が進められてきている.本製剤はChinese HamsterOvary(CHO)由来細胞にヒト第IX因子遺伝子を導入して発現させた蛋白を濃縮したもので,用いたCHO由来細胞は既に20年以上種々の遺伝子組換え蛋白を発現させた実績があり,現在までに1億人以上の患者に種々の蛋白が投与されているがウイルス感染の報告はない.さらに現在報告されている製剤ではその製造過程および製品中にもヒト,または動物由来の蛋白は一切使用されておらずヒト,動物由来のウイルス感染の可能性はほぼないといえよう.生化学的には分子量55,000で血液由来の第IX因子とアミノ酸構造.post-translational modificationの差異は認められていない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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