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文献詳細

雑誌文献

臨床検査40巻11号

1996年10月発行

文献概要

特集 血栓症と血小板凝固線溶系検査 血栓症の検査 2.血液凝固系の検査

4) APC・PCI複合体

著者: 鈴木宏治1

所属機関: 1三重大学医学部分子病態学

ページ範囲:P.113 - P.116

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はじめに
 プロテインCインヒビター(PCI)は生理的血液凝固制御因子である活性化プロテインC (APC)の血漿インヒビターとして発見された.PCIは当初,先天性第V・VIII両因子欠損症患者に特異的に欠損する因子ではないかと考えられたが,その後この説は否定された.最近,PCIがトロンビン・トロンボモジュリン複合体を阻害することが示され,プロテインC凝固制御系の制御におけるPCIの重要性がより明確になってきた.他方,PCIは血漿のほかに,尿,精漿,滑液などにも存在し,それらの体液や組織に存在するセリンプロテアーゼを阻害することから,プロテインC凝固制御系以外の多数の生体反応の制御にもかかわっていると考えられる.
 ここでは,凝固線溶系におけるPCIの役割とその病態生理を述べた後,APC・PCI複合体測定法の原理と測定意義,基準値と異常値,測定の問題点などについて紹介する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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