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文献詳細

雑誌文献

臨床検査40巻11号

1996年10月発行

文献概要

特集 血栓症と血小板凝固線溶系検査 血栓症の検査 2.血液凝固系の検査

6) TAT

著者: 東原正明1 宮崎浩二2

所属機関: 1東京大学医学部第一内科 2東京大学医学部第一内科教室

ページ範囲:P.121 - P.122

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原理・測定意義
 DICなど血管内に血栓が多発する疾患では,血管内にトロンビンが生成されている.このトロンビンは,①フィブリノゲンをフィブリンに変換する,②第V因子,第Ⅷ因子,第ⅩⅠ因子,第ⅩⅢ因子を活性化する,③血小板を活性化する,④血管内皮細胞を刺激するなどの生理活性を有していて,この血中のトロンビンを測定することは,凝固亢進状態,血栓傾向を示す大きな指標となる.しかしながら,トロンビンは,生体が備えている抗血栓性のメカニズムにより生成されても,すぐに中和されて直接測定することは困難である.この中和作用として,antithrombin Ⅲ(ATⅢ)との複合体形成,フィブリンへの吸着,トロンボモジュリンとの複合体形成,ヘパリン・コファクターⅡとの複合体形成が挙げられる.ATⅢは分子量58,000の糖蛋白で,heparin cofactor Ⅰとも呼ばれserpin (serine protease inhibitor) superfamilyに属し,血中濃度は約150mg/mlである.ATIIIとトロンビンとの複合体,thrombin-antithrombin complex(TAT)(1:1の等モル比結合)の形成は,以下のように進行することが明らかにされている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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