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文献詳細

雑誌文献

臨床検査40巻11号

1996年10月発行

文献概要

特集 血栓症と血小板凝固線溶系検査 血栓症の検査 2.血液凝固系の検査

8) FPA

著者: 高橋芳右1

所属機関: 1新潟大学医学部附属病院輸血部

ページ範囲:P.125 - P.127

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凝血学的分子マーカーと臨床的意義
 凝固系が活性化されるとトロンビンが生成され,線溶系が活性化されるとプラスミン生成に至り,それぞれフィブリン血栓の形成およびその分解にあずかる.実際には生成されたトロンビンおよびプラスミンの多くは,それぞれ生理的阻止因子のアンチトロンビンおよびプラスミンインヒビターに捕捉され,トロンビン-アンチトロンビン複合体(thrombin-antithrombincomplex;TAT)およびプラスミン―プラスミンインヒビター複合体(plasmin-plasmin inhibitor com-plex;PIC)を形成し,不活性化される.
 凝固線溶系因子およびその阻止因子は流血中に大量に存在し,種々の臨床病態においては,ごく一部の凝固線溶系因子が活性化されるにすぎず,各種凝固線溶系因子や阻止因子の血中濃度を測定しても,極めて高度の活性化によりその消費が認められる場合を除いて,凝固線溶亢進状態を捉えることはできない.また,トロンビンやプラスミンなどの活性型因子の血中半減期は極めて短く,直接測定することは不可能である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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