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トロンボポエチンによる血小板活性化
著者: 小田淳1
所属機関: 1慶應義塾大学医学部内科
ページ範囲:P.137 - P.137
文献購入ページに移動しかし,TPOが受容体に結合した後の細胞内情報伝達経路の詳細は不明である.筆者らはヒト血小板を用いてTPOがさまざまな刺激下における血小板凝集を亢進させること1).TPO刺激の下流にJak 2系およびShc-Grb 2系の2つの情報伝達系が関与することを証明した2).さらにJak 2系の下流にあるとされるStat蛋白(転写因子)が血小板に存在することと,そのうちStat 3とStat 5がTPO刺激下にチロシンリン酸化されることを証明した3).また,c-Cb1蛋白が血小板にあることを初めて証明し,血小板およびc-Mpl (TPOの受容体)発現FDCP-2細胞においてTPO刺激下にチロシンリン酸化されることを認めた.さらに,c-Mplのtruncation mutantを発現したFDCP-2細胞を用いて,c-Cbl蛋白チロシンリン酸化が細胞増殖に必須ではないことを証明した4).
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