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文献詳細

雑誌文献

臨床検査40巻11号

1996年10月発行

文献概要

ミニ情報

トロンボポエチンによる血小板活性化

著者: 小田淳1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部内科

ページ範囲:P.137 - P.137

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 最近,巨核球増殖,分化誘導因子であるトロンボポエチン(TPO)のcDNAが複数のグループによりクローニングされ,TPOにin vivo,in vitroにおける巨核球増殖促進,分化誘導,血小板数増多作用があることが判明している.既に,化学療法後の血小板減少症の治療目的で,各国で第Ⅰ,Ⅱ相試験が進行している.
 しかし,TPOが受容体に結合した後の細胞内情報伝達経路の詳細は不明である.筆者らはヒト血小板を用いてTPOがさまざまな刺激下における血小板凝集を亢進させること1).TPO刺激の下流にJak 2系およびShc-Grb 2系の2つの情報伝達系が関与することを証明した2).さらにJak 2系の下流にあるとされるStat蛋白(転写因子)が血小板に存在することと,そのうちStat 3とStat 5がTPO刺激下にチロシンリン酸化されることを証明した3).また,c-Cb1蛋白が血小板にあることを初めて証明し,血小板およびc-Mpl (TPOの受容体)発現FDCP-2細胞においてTPO刺激下にチロシンリン酸化されることを認めた.さらに,c-Mplのtruncation mutantを発現したFDCP-2細胞を用いて,c-Cbl蛋白チロシンリン酸化が細胞増殖に必須ではないことを証明した4)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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