icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床検査40巻11号

1996年10月発行

文献概要

特集 血栓症と血小板凝固線溶系検査 血栓症の検査 2.血液凝固系の検査

13)抗カルジオリピン抗体

著者: 松浦栄次1 小池隆夫2

所属機関: 1北海道大学医学部生化学第一講座 2北海道大学医学部第二内科

ページ範囲:P.141 - P.145

文献購入ページに移動
はじめに
 抗リン脂質抗体症候群とは,血栓症,習慣流産,および血小板減少などの症状を有し,かつ,抗カルジオリピン抗体やループスアンチコアグラントなどの抗リン脂質抗体が出現する自己免疫疾患である.近年,本疾患の患者血清中で検出されるいわゆる"抗リン脂質抗体"は,カルジオリピンなどのリン脂質そのものを認識しているのではなく,血液凝固反応の制御蛋白であるβ2-グリコプロテインI (β2-GPI)やプロトロンビンなどとリン脂質との複合体を認識していることが示された.特に,抗カルジオリピン抗体は,カルジオリピンと結合することで構造変化を起こしたβ2-GPIを認識する自己抗体,すなわち,抗β2-GPI抗体であると考えられている.本稿では,抗カルジオリピン抗体の特異性および測定法について解説する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?